393.父の想い ページ14
伊達兵達が政宗を介抱するなか、Aは瓦礫で横たわっている秀吉に近づいた。
A「父上…」
Aは秀吉の武骨な手に触れ、静かに眼を閉じた。
〜心象風景〜
緑そよぐ広い丘で、Aと秀吉が向き合っていた。
A「父上…私、自分の生きる道を見つけました。奥州で政宗さんと暮らして、共に家庭を築き、新しい道を歩みます。……こんな日が来るんだったら、もっと親孝行しておけば良かったな」
照れくさそうに呟く娘を、秀吉は相好を崩した。
ねね「その政宗殿という方と、どんな明るい未来を築くか楽しみだわ」
いつしかねねと半兵衛が現れ、秀吉を挟んで並んでいた。
ねね「半兵衛殿から聞きましたよ。Aの夢は、医者になる事だそうね。大変な道のりかもしれないけど、あなたが生かした経験ならきっと立派な医者になれるわ」
半兵衛「Aは、昔から頑張り屋さんだからね。その努力の成果なら、たくさんの病人を救えるよ。君自身の、その手で」
穏やかに微笑む半兵衛を見つめ、Aはそれを窺うと顎を引いて眉を顰め、切なる想いが募った。
A「……私、やっぱり半兵衛達と別れたくない。私も、半兵衛達と一緒に――」
秀吉「ならぬ」
黙って聴いていた秀吉が口を開いた。
秀吉「お前はまだこちらへ来るべきではない」
A「父上…」
秀吉「ねねとの間に授かった、花のような娘を、むざむざと害するのは
半兵衛「そうだよ、A。君には帰る場所も、待っていてくれる人もたくさんいる。僕達の心配はいらないよ」
A「でも…でも、私のせいで豊臣は滅んでしまった。私は、豊臣を守りたいという父上の思いをずっと胸に抱いて生きて参りました。だけど、私のあの過ちが豊臣の崩壊を招いてしまった……。私は、父上の思いに背いてしまったのでしょうか?」
目の端に溜まった涙を浮かべ、俯くA。
秀吉は微笑を浮かべ、
秀吉「お前に落ち度はない」
大きな手が娘の頭を優しく乗せた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
16人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コマさん - 最初から読みました!とても感動しました。゚(゚´Д`゚)゚。 (2017年5月7日 12時) (レス) id: 29a322c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
クイナ - えーと、楽しく読ませてもらってんスけど...。ワンピース入ってますよね。何か全然違和感無くておもろいッスよ (2016年3月28日 11時) (レス) id: 878c05571f (このIDを非表示/違反報告)
舞 - はじめまして、舞です。私も最初っしょから読ませていただきました(^O^)とても素敵で感動しました。本や漫画にしてもおかしくないです。素晴らしい物語でした。ありがとうございました。 (2014年5月9日 22時) (レス) id: 7c57ccdb7c (このIDを非表示/違反報告)
☆ひいらぎ☆(#´^`#)/(プロフ) - 最初っから読ませて頂いたのですか、凄く感動しました!私も結構涙脆いので、途中でボロボロ泣いてましたwとてもよかったです! (2014年3月9日 4時) (レス) id: fcd858585a (このIDを非表示/違反報告)
花海月ヒリス(プロフ) - 双龍阿修羅@元朱雀さん» 見てくれてありがとうございます!今後出される作品も楽しみに待ってて下さいね(^_^) (2013年11月11日 22時) (レス) id: faf94e31c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花海月ヒリス | 作成日時:2013年9月12日 16時