391.届いた声 ページ12
―Aside―
A「着いた…」
小田原城門前で馬を降り、Aは城の奥へ進むと伊達軍と豊臣大本隊が見えた。しかし伊達軍の様子が不自然で、へたり込んでいる者達がそこそこ窺えた。
Aは人垣を掻き分け、前に出た。先頭には良直がいた。気づいた良直はAの方へ向いた。
良直「…A様」
A「良直さん、今の現状を教えて下さい」
そう問うと、良直はなぜか泣きそうな顔で俯いてしまった。嫌な予感がしつつ、Aは前の方へ向いた。
崩落している本丸櫓の前に秀吉が雄々しく静止している。恐らく瓦礫の中にいるのは政宗だ。彼は、秀吉に負けたのだ。
A「嘘……」
Aはその場でがっくりと膝をついた。
(政宗さんが負けた……?約束したのに……『生きて帰る』って、約束したのに……)
A「……お願い……立ってよ。政宗さんが死んじゃ、私はこれからどう生きていけばいいの…?」
ポタ、ポタポタリ。
Aの両眼から涙が零れ落ち、地面を浸す。
A「立って……お願いだから、立って…!」
お願い、死なないで……政宗さんじゃなきゃ駄目なの。もう……好きな人がいなくなるのは、嫌なの――!
A「勝ってよ!死んでも勝って!『生きて帰る』って約束したんじゃないの?生きてみんなで奥州へ帰って……私を幸せにするって言ってよッ!」
泣き
秀吉は本丸櫓から離れ、歩き去ってゆこうとしたその時――大量の瓦礫の狭間から、蒼い光が漏れ出してきた。
秀吉「…!?」
足を止め、振り向いた秀吉は驚きと動揺を滲ませた。
Aも顔を上げ、瓦礫に目を向ける。
六爪の閃きが瓦礫の隙間から放射状に突き抜け、城の残骸を爆発させ、辺り一帯に更に粉砕された瓦礫を降り注がせた。
秀吉は凛然としつつ向き直った。
政宗「…当たり前だ。オレを誰だと思ってやがる」
不敵な笑みで帯電して立つ政宗。黒龍を除く五本の刀が次々と刃こぼれし、折れ、朽ち落ちていく。
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コマさん - 最初から読みました!とても感動しました。゚(゚´Д`゚)゚。 (2017年5月7日 12時) (レス) id: 29a322c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
クイナ - えーと、楽しく読ませてもらってんスけど...。ワンピース入ってますよね。何か全然違和感無くておもろいッスよ (2016年3月28日 11時) (レス) id: 878c05571f (このIDを非表示/違反報告)
舞 - はじめまして、舞です。私も最初っしょから読ませていただきました(^O^)とても素敵で感動しました。本や漫画にしてもおかしくないです。素晴らしい物語でした。ありがとうございました。 (2014年5月9日 22時) (レス) id: 7c57ccdb7c (このIDを非表示/違反報告)
☆ひいらぎ☆(#´^`#)/(プロフ) - 最初っから読ませて頂いたのですか、凄く感動しました!私も結構涙脆いので、途中でボロボロ泣いてましたwとてもよかったです! (2014年3月9日 4時) (レス) id: fcd858585a (このIDを非表示/違反報告)
花海月ヒリス(プロフ) - 双龍阿修羅@元朱雀さん» 見てくれてありがとうございます!今後出される作品も楽しみに待ってて下さいね(^_^) (2013年11月11日 22時) (レス) id: faf94e31c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花海月ヒリス | 作成日時:2013年9月12日 16時