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景色はノンストップで気持ちよく流れていく。
それなりに遠くまで来たんじゃないのかな。
緑の木々が多くなってきた辺りで、車は高速を下りた。
他に車もあまり走っていなくて道路は空いている。
「はー、さすがだなー翔ちゃん。
マジで、この時間帯この経路って、空いてんだな。完璧だわ(笑)」
「ほんとだね」
「で、確かその先にコンビニがあったんだよね。A、ちょっとオレのスマホ見て」
「あ、うん」
手渡されたスマホで開いていた地図アプリを確認すると、確かにすぐ先にコンビニがある。
「…だろ？
忘れないうちに、いつものマンガ雑誌買っときたいんだよなー」
「あ、じゃあ私行ってくるよ。ついでに冷たいお水買ってくるけど…和也は？」
「オレは、ホットコーヒーがあるから要らない。
そんじゃ、ここで待ってっからさ、悪いけど宜しく！」
買い物を終えてコンビニを出ると、広い駐車場には看板の陰に停めてある和也の車が１台きり。
前の道路を走っている車もいない。
すごいな…。
都心をちょっと離れてしまうと、こんな静かな場所があるんだ。
ああ、何だろう、この開放感。
すごく気持ちいい。
雲のない空を見上げると、吸い込まれそうなくらいで…。
大きく深呼吸して…よし、戻ろう！と、小走りで車の前に戻った。
「はい、こっち」
開いたのは、後部座席ではなく…
…助手席のドア。
「…え？」
「どーぞ？」
「…？？」
意味が分からず、見つめ返した私に、和也がハンドルに両手を置いて凭れたまま、窓の外を視線で示して笑って見せる。
「そこ曲がったら、もう事務所の管理地で、入り口にオートロックの門扉があって関係者以外は入り込めないようになってんの。
ま、短い道なんだけどね、それでもさ、そーいう場所ならこっちに乗ってみたっていーんじゃないの？」
「で、でも…」
「ほら、早く！
コンビニからは死角に停めてるつもりだけど、いつまーでもそこ突っ立ってると、誰か来るかもしんないじゃん。乗るんなら早くしなさいよ(笑)」
いきなりのことで不安がよぎる。
でもね、心配するばかりじゃなくて、和也に本当に甘えていいタイミングも分かってきた気がするよ。
だから…。
「…うん！」
シートに座りながら、つい、また“お邪魔します…”と言いそうになったけど。
「…ありがとう」
「お、言えんじゃん(笑)」
和也はふふんと笑いながら、よくできました、と口角を上げた。
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kico(プロフ) - ゆうきさん» 初めまして。自己満足で書いてきた勝手な妄想ですが楽しんで頂けたのなら嬉しいです。もう新しいお話は書きませんが、いつかどこかで何かのご縁があった時には♪どのお話にも愛だけは目いっぱい籠めて書いてきました。最期まで読んでくださってありがとうございました^^ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 初めて送ります…ウラつく読者デビューは、この作品でした。とても楽しく読ませて貰いました。もっと読みたいなあと言うのが正直な気持ちです。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 62321c58f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2016年3月26日 12時
