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表札も看板もない大きな自動開閉門扉。
事前に潤くんから聞いてた暗証番号で抜けると事務所の管理地内で、もう部外者は入れない。
後は舗装された一本道で、細く曲がりくねった山道が合宿所まで続いている。
その僅かな道のりを、オレはAを乗せて、スピードを落としてゆっくりと走った。
助手席のAは、ウキウキと窓の外を見てみたり、オレの運転をじーっと見つめてきたり、嬉しそうにこっちを向いて喋りかけてきたり。
なんだろうなー…助手席に人が居るってこと自体珍しいからかもしんないけど、いつものAなのに、こーいうシチュエーションだと何となく違った印象があってさ。
膝頭を揃えた内股の膝上に両手を置いてちょこんと座ってる姿なんて、妙に可愛い。
そのくせ、ゆったりとしたプルオーバーの胸元は、普段は着やせして目立たない膨らみがシートベルトで強調されて、強烈に色っぽいなんてね。
まっすぐ前を向いて運転しつつも、視界の端でそんなAをしっかり目に焼き付けて。
次は絶対にやっぱひざ丈のスカートだなー…なんて考えてみたりした。
当たり前なんだけど、母ちゃんや姉ちゃん以外のいわゆる“女の子”はこの車に乗せてないワケで。
そーいう意味では、この車もオレの領域の一部なんだよね。
そう思うと、オレの部屋にAを初めて連れて帰ったあの夜が胸をよぎって…自分でもわかんないけど、なんか少しだけグッときた。
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ゆっくり上っていくと、急に開けた道路に現れた小さなコテージ風の建物。
「お、見えてきた」
「これが…合宿所？」
「そ。何でも、お偉いさんの別荘にする予定だったらしいけど、そこそこ郊外で便利がいいから、オレらが入る少し前から無人の合宿所になってんの」
シャレた洋風２階建て。
そんなに大きくないけど、５〜６人は寝泊りできる大きさで、キッチンやリビング、風呂トイレの他に、鏡張りで音響設備の整った広いレッスン室がある。
窓際には人の背丈ほどに綺麗に刈られた庭木が植え込みとして外からの視界を遮っていて、玄関周りの花壇には色とりどりの花。
元が別荘として建てられたこともあり、管理人が常駐していない代わりに事務所のお偉いさんお抱えの担当者が定期的にメンテナンスをしに来ていて、いずれ合宿所として使わなくなれば別荘に戻すらしいって聞いている。
きょろきょろと不思議そうに外を見廻しているAを乗せて、玄関の前のロータリーに車を停めた。
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kico(プロフ) - ゆうきさん» 初めまして。自己満足で書いてきた勝手な妄想ですが楽しんで頂けたのなら嬉しいです。もう新しいお話は書きませんが、いつかどこかで何かのご縁があった時には♪どのお話にも愛だけは目いっぱい籠めて書いてきました。最期まで読んでくださってありがとうございました^^ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 初めて送ります…ウラつく読者デビューは、この作品でした。とても楽しく読ませて貰いました。もっと読みたいなあと言うのが正直な気持ちです。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 62321c58f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2016年3月26日 12時
