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「…どこまで行くの？」
「ん？ちょっとだけ遠回りって言ったでしょ？」
「言ったけど…高速に乗るほど遠くだなんて思わなかったから…」
「ま、距離的にはそんな遠くじゃないのよ。
でも、翔ちゃんの話だと、下の道よりかは首都高の方が便利なんですって」
「…櫻井さん？」
首を捻った私をミラー越しに見て、「あー、話してなかったっけ」と和也が笑う。
「実はさ、今回の話って、うちの人たちみーんな関わってんのよ」
「？？」
＋＋＋
和也の話によると、郊外に事務所の合宿所があるとのこと。
大野さんと松本さんがツアー曲に振りを付けるために嵐の皆さん名義で１カ月ほど借り上げているけど、ほとんど使わなかったそうだ。
それは勿体ない…と相葉さんが個人のお仕事の打ち合わせで使ってみたら、合宿所の桜がとても綺麗に咲いていたらしくて、熱心に勧められたとのこと。
「“え、ニノ、Aちゃんと出掛けんの？だったら、ついでに、あそこの桜経由で行ってみてよ！本っ当にキレイだったの！！もうね超オススメ！！多分ちょうど満開だよ！！騙されたと思って見てみて！！超キレイだから！！”
って、相葉さん、すげーテンションで勧めてくんの。しつっこいんだよねー。
そしたら、翔ちゃんまで一緒になってさ。
“なになに？へえ、ニノ、小笠原さんと桜見に行くの？よーし、じゃあ道は任せなさーい！”とかなんとか、とにかくそーいう話になっちゃって。そんで、いろいろ調べてくれたってわけ」
なーんで人のことあれこれ世話焼きたがるのかねー、うちの人たちは…と和也が苦笑する。
「それにさ…」
私をミラー越しにチラリと見てから、和也はまた前を向いた。
「ま…ちょーど良かったんじゃない？行きたかったんでしょ、花見」
「え？お花見？私が？…そんな話、したっけ？？」
「こないだ花見特集の雑誌買って来て、ニヤニヤとなんか嬉しそうに読んでたじゃん」
「！…ああ、あれは…」
つい買ってしまった、お花見特集のタウン誌。
ほとんどがお花見スポットの記事で埋め尽くされたそれを手に取ってしまったのは、表紙の隅に和也が出ている映画の特集記事が銘打たれていたから。
読み終えた後はクローゼットに仕舞ったはずだから、和也の目に触れたのは、買って来た日に一緒にリビングで過ごした、あの短い時間だけだと思っていたのに…。
気付いてたんだ、和也…。
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kico(プロフ) - ゆうきさん» 初めまして。自己満足で書いてきた勝手な妄想ですが楽しんで頂けたのなら嬉しいです。もう新しいお話は書きませんが、いつかどこかで何かのご縁があった時には♪どのお話にも愛だけは目いっぱい籠めて書いてきました。最期まで読んでくださってありがとうございました^^ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 初めて送ります…ウラつく読者デビューは、この作品でした。とても楽しく読ませて貰いました。もっと読みたいなあと言うのが正直な気持ちです。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 62321c58f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2016年3月26日 12時
