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「…はあ！？なによそれ！？
そんじゃAは、付け足しみたいな映画特集があったから、わざわざあのタウン誌買ったってこと？」
「うん」
私の話を聞いた和也は、運転しながら呆れたように、くはーっと笑う。
そうだよね。
確かに付け足しのような特集だった。
でも、その数ページの特集の中の小さなコラムに、映画の見どころと併せて男性ライターさんが和也の仕事に対する姿勢や役への向き合い方について熱く語ってくれていて…
和也のカッコいいカットも、小さいけれど何枚か一緒に載っていて。
“いいなあ、帰ってじっくり読みたいな…”と思ったんだもん。
「ったく、何でまた、紛らわしーことすんのかなーこのお嬢さんは(笑)。
あのね、どーせ映画雑誌買うんならさ、もっとわかりやすいのにしなさいよ。
…ってか、そもそも、ここに本物が居んだからさ、雑誌なんて要らねーだろって話じゃん！」
「えーっと…。なんか…ごめん…(笑)」
とりあえず、へらっと笑って頭を下げたけど。
「んな雑誌、クローゼットの中に大事そうにこっそり仕舞ってんじゃないよ！」
和也は、まだブツブツ言っている。
その様子を見ていて、ふと思い当ったこと。
「あ…。もしかして…」
「なに？」
ミラーの中の和也が、私に目を合わせてきた。
「ねえ…和也は、私がお花見に行きたがっていると思って、相葉さんの話に乗ってくれたの…？」
「……」
ふん！と和也が目を戻して前を見る。
「…は、バーカ！
相葉さんがしつこかったから、ちょっと気が向いただけ。最初からそー言ってんでしょ(笑)」
即、否定されたけれど。
ああ、そっか…そうだったんだ。
だから、あんなに曖昧な理由だったんだ。
「ありがとう、すごく嬉しい…」
「だから、違うっつってんでしょーよ！」
相変わらず鈍い鈍いと言われている私だって、少しは分かるようになったんだよ。
赤くなった耳。
合わせて来なくなった視線。
ミラーに映っているワザと作った嫌そうな顔は、ほら、口元が緩んでる(笑)。
「…まーね、細かいことなんてどーでもいいのよ」
ハンドルを切りながら和也がそう言った。
「楽しんでもらえてんのなら、それでいいんじゃないですかってことで(笑)」
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kico(プロフ) - ゆうきさん» 初めまして。自己満足で書いてきた勝手な妄想ですが楽しんで頂けたのなら嬉しいです。もう新しいお話は書きませんが、いつかどこかで何かのご縁があった時には♪どのお話にも愛だけは目いっぱい籠めて書いてきました。最期まで読んでくださってありがとうございました^^ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 初めて送ります…ウラつく読者デビューは、この作品でした。とても楽しく読ませて貰いました。もっと読みたいなあと言うのが正直な気持ちです。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 62321c58f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2016年3月26日 12時
