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「……」
「……」
「―――――A…」
「…なあに？」
呼ばれて顔を上げると。
和也はさっきと同じように天井を見つめたまま、今度は眉を寄せ、何かに挑むように口角を上げていた。
「オレね、負けないよ？」
「え…」
「何があってもオレは負けない。手に入れて見せる。
嵐の未来も、オレの未来も。今のオレには欲しいビジョンってのがね、しっかりとあんの」
和也…。
「だから…Aも…」
天井から私へと。
和也が視線を移した。
「…この先、何があっても迷わないでオレについて来れる？」
少し低めの声が、心に響く。
まっすぐな視線が私を捉えている。
嬉し過ぎて涙が滲む。
「うん」
もちろん。どこまでもついて行く。望むところだよ、と涙目で頷くと。
和也は目を細めて、滲んだ私の目元を親指でそっと拭った。
「大丈夫だよ…Aはオレが守る」
「和也…」
「何があっても守る。それはこの手を差し出した時からずっと変わってないから」
その言葉に、私も思わず口から言葉が零れ出た。
「じゃあ、和也は私が守るよ」
「…え？」
目の前の愛しい人は、“Aが…守る…？…え、なにそれどーいうこと？”と言わんばかりに目を丸くして驚いていて。
ああ…
ごく限られた身近な相手にしか見せない、素で驚いたあなたのそんな表情がとっても愛おしいよ。
「ずっと一緒に居る。この手は和也といつも繋がってるの。
何があっても勝手に離れて行ったりしない。迷うこともない。私も私のすべてを賭けて和也を守る」
伝えたい気持ちがどんどん溢れ出てきて、鼻がつん、とする。
「どんなことがあっても、私はこれから先の和也を傍で見守ってるよ。何があっても。どんなにつらくても苦しくても。和也と一緒なら私は大丈夫だから」
「A…」
「和也のお仕事や事務所のことでどんなことがあったとしても、私はこの手を信じて頑張れる。だから…だからね…」
「……」
「だから…お願い。私を置いて1人で行かないで」
愛おしくて、愛おしくて、愛おしくて。
「何があってもいい。私のところに帰ってきて！それが和也の“使命”だよ！！」
私から口唇で触れて、想いを込めたキス。
そっと離れて、見つめ合うと…
気のせいか、和也の瞳が潤んで揺らめいた気がした。
＋＋＋
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kico(プロフ) - ゆうきさん» 初めまして。自己満足で書いてきた勝手な妄想ですが楽しんで頂けたのなら嬉しいです。もう新しいお話は書きませんが、いつかどこかで何かのご縁があった時には♪どのお話にも愛だけは目いっぱい籠めて書いてきました。最期まで読んでくださってありがとうございました^^ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 初めて送ります…ウラつく読者デビューは、この作品でした。とても楽しく読ませて貰いました。もっと読みたいなあと言うのが正直な気持ちです。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 62321c58f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2016年3月26日 12時
