青城の男装少女は雨柱

15違った ページ18

〜国見side〜


慌てて階段を降りて着いたそこに居たのは紛れもなく、


朝練に来なかった雨森Aだった。



　
　
紛らわしい。

心配して損した気分。

でも、一応声かけといてやろう。何故サボってこんなとこにいるのかもきかないと。


近づくと、やはり女子みたいな顔で眠る雨森。


無表情で、愛想のない奴の、無防備な姿を見て、つい、本当につい、魔が刺したんだ。誘惑に負けた。


髪を触り、ちょっと頭を撫でてみた。

髪が長かったら美少女と言われても違和感ないな……………


『………ん、……むいちろ……好き……だよ。』



寝言を呟く。普段よりも声が高かった。



むいちろ？

行かないで？

　
　
　
一体どんな夢を見ているのか。


　
面倒くさい、頭を掴んで強引にでも起こそう。


そんなふうに思って髪を引っ張ると、思っても居ないことが起きた。





髪が取れたのだ、いや正確には、地毛だと思っていた黒髪はウィッグで、


さらさらとこぼれ落ちてくる、



肩ぐらいまでの綺麗な黒髪。


毛先の青色は美しく儚い、目の前の美少女をより一層際立たせた。



は？




　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
女？
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
とりあえずと、ウィッグを綺麗に付け直し、雨森Aを起こした。

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