第2話(この話の後永夢が貴利矢に会う) ページ2
*
「お客さん、お客さん」
運転手が、眠っているAに優しく声をかける。
その声に反応して薄らと目を開けた。化粧がおちるため、目は擦らない。
「着きましたよ」
「あ、ありがとうございます」
運賃を払ってタクシーを降りる。
トランクに積んでいた荷物を受け取って、走り出したタクシーを目で追いながら院内に入る。
二重の自動ドアを抜けると、院長の鏡灰馬が待っていた。
「お久しぶりです。院長」
「Aさんお久しぶりです! 明日那さんから連絡はおありで?」
「はい。空港に着いてから」
「そうですか。ささ、行きましょう」
にこやかに笑ってエレベーターへと促す。一見レディーファーストの様だが、ただ単にAに甘いだけである。
CRに着くと、そこにはポッピーと、天才外科医で院長の息子の鏡飛彩、そしてAの知らない若い男が待っていた。
「飛彩……と、君は?」
「僕は研修医の宝生永夢です。よろしくお願いします」
「永夢は私が探していた天才ゲーマーMで、仮面ライダーエグゼイドの適合者なんだよ!」
成程、この子に私を紹介するために呼ばれたのか、と思ったAはポッピーとその他にハワイ土産を渡しつつ自己紹介をした。
「へー、よろしくね永夢。私は甲斐舘A。歳は26だから多分先輩。はいこれハワイ土産」
「ありがとうございます! AさんってCRの関係者なんですか?」
「そうだよ。仮面ライダーの戦闘サポート役。あと、私臨床検査技師で監察医務院勤務なの」
「黎斗が開発した対バクスター用の銃火器と衣類で、バクスターと戦えるようになってるの! A専用だから、一点物だけどね。
で、Aが一週間前から休暇でハワイに行ってたんだけど、今日帰ってきたから永夢に紹介したの。
そしてお土産美味しいありがとうA」
Aに貰ったハワイ土産のマカダミアナッツをもぐもぐ咀嚼しながらポッピーが説明しているのを、飛彩はAさんの事殆どポッピーピポパポが言ってしまってるな、ともぐもぐ咀嚼しながら見ていた。
「じゃあ、用が終わったなら帰るけどいい?」
「うん! またねー!」
そこで院長はお見送りします、とAのキャリーバッグを持ってAとCRを後にした。最後まで媚を売る男である。
「……そう言えば、飛彩さんはAさんとお知り合い何ですか?」
「ああ、……5年前に知り合った」
「へぇー。あ! 僕診察なので行ってきます!」
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りんか(プロフ) - 九条貴利矢が好きだという気持ちがヒシヒシと伝わってくる話ですね!更新待ってます!! (2017年10月9日 19時) (レス) id: 3584b965a9 (このIDを非表示/違反報告)
凩奏詠(プロフ) - あいかさん» 返信遅れてしまい申し訳ないです。コメントありがとうございます。未だこうして応援して頂けて嬉しいです。 (2017年10月8日 23時) (レス) id: e22f7985b6 (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - はじめましてあいかといいます!この小説の続きをまた、読んでみたいので、更新頑張って!! (2017年10月4日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凩奏詠 | 作成日時:2017年3月20日 2時