93話。 ページ48
〜黒子side〜
Aは、昔から知っていた。高尾くんがもてることを。
そして、高校生の時から思っていた。いつもそばにいる自分が、その弊害になっているかもしれないと。
今も昔も、何も知らないのは、高尾くんの方だ。
二人とも、互いへの好意は無自覚だけれど
ずっとずっと、何もわかっていないのは、明らかに高尾くんだった。
「どうしてAばっかり、つらい思いしなくちゃいけないんですか」
「……」
「僕だったら…Aにあんな顔、っ」
「、黒子おまえ……」
「……………なんですか」
咄嗟に自分の口を押さえ、目を見開いてこっちを見る火神くんから視線を逸らす。
……ずっと、心の奥底にしまって隠してきたのに。
これからも、誰にも言う気などなかったのに。
「……いつから、その………Aのこと」
「………昔過ぎて忘れました、そんなこと」
「………、」
悲しげな顔で黙り込んでしまった火神くんを見て、罪悪感が押し寄せる。
こんな言い方をすれば、悲しませてしまうことくらいわかっていた。……それでも、僕は。
やっぱりAが好きで、可能性がこれっぽっちもなくたって好きで。
だって、可能性なんて考えたこともなかった。
「知ってましたから。……僕がAといられる未来なんて来ないことを」
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早乙女みんと(プロフ) - ユーリさん» ありがとうございます……!がんばります! (2018年4月16日 10時) (レス) id: 11c9dce08c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - 火神の主人公を想う優しさが良いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2018年3月6日 22時) (レス) id: adda87380c (このIDを非表示/違反報告)
早乙女みんと(プロフ) - 美咲さん» そんなに感情移入して読んでくださってありがとうございます……!がんばって書きます! (2018年1月31日 14時) (レス) id: 11c9dce08c (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - めちゃくちゃ面白くてヒロインちゃんの感情がすごく伝わってきて思わず泣いてしまいました。続きがすごくすごく気になるので、いつまでも待ってます! (2018年1月29日 18時) (レス) id: c52a9a0886 (このIDを非表示/違反報告)
千尋(プロフ) - 続編有り難うございます!応援してます!これからも頑張ってください(*'ω'*) (2015年11月8日 1時) (レス) id: fa40f0093b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早乙女みんと | 作成日時:2015年7月20日 23時