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ぼーる59 ページ10

「……うん」

「でも、わたし、その時は、まぶしいの意味がよくわかってなくて」

「うん」

「さっき、いま、やっとわかったの。……まぶしいって、こういうきもちなんだなって」

「……倉持、眩しかったんだ?」

「……うん。……まぶし、かった」


まぶしかった。

きっとわたしは、この先どれだけ時間が経ってもあの時の気持ちを忘れない。


――忘れられるわけ、ないよ。

だって、初めてだったんだ。誰かを、まぶしいと思うなんて。


でも、だからこそ。

どうして、今なの。

なんで、いま、知らなきゃいけなかったんだろう。


倉持を諦めなきゃいけないと決まっている今、こんな気持ちなんて知りたくなかった。


忘れられないキラキラした気持ち。でも、知りたくなかった捨てるには大きすぎる気持ち。



うれしくてうれしくて、でもちょっぴり泣きたくなるような。

誰かをまぶしくおもうのって、きっとそんな気持ちだ。


「よしよし、そんな顔しないの」

眉を下げて私の頭を撫でる五十嵐を見て、いつか絶対ちゃんと全部話そうと心に決めた。

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作者名:早乙女みんと | 作成日時:2018年4月14日 13時

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