今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:2,564 hit
小|中|大
ぼーる59 ページ10
「……うん」
「でも、わたし、その時は、まぶしいの意味がよくわかってなくて」
「うん」
「さっき、いま、やっとわかったの。……まぶしいって、こういうきもちなんだなって」
「……倉持、眩しかったんだ?」
「……うん。……まぶし、かった」
まぶしかった。
きっとわたしは、この先どれだけ時間が経ってもあの時の気持ちを忘れない。
――忘れられるわけ、ないよ。
だって、初めてだったんだ。誰かを、まぶしいと思うなんて。
でも、だからこそ。
どうして、今なの。
なんで、いま、知らなきゃいけなかったんだろう。
倉持を諦めなきゃいけないと決まっている今、こんな気持ちなんて知りたくなかった。
忘れられないキラキラした気持ち。でも、知りたくなかった捨てるには大きすぎる気持ち。
うれしくてうれしくて、でもちょっぴり泣きたくなるような。
誰かをまぶしくおもうのって、きっとそんな気持ちだ。
「よしよし、そんな顔しないの」
眉を下げて私の頭を撫でる五十嵐を見て、いつか絶対ちゃんと全部話そうと心に決めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
39人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:早乙女みんと | 作成日時:2018年4月14日 13時