入間銃兎から逃げる２４時

にじゅうきゅう ページ29

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時は遡ること1時間前。逃げるように後を去ったAの後ろ姿を見て、山田家は一様に顔を見合せた。







「何だったんだ、アイツ」


「さあ、ていうか、ゲーム途中だし…。せっかくゲーム相手が出来たと思ったのに…。」








呆然としていると、スマホがブルブルと振動した。メールが届き、万里小路Aに関する情報が送られてくる。








写真も添付されていた。








それを開くと、つい先程までそこにいた少女の寝顔が映っていた。


あきらかに盗撮だろうことは確実だった。








「おい、さっきの子が万里小路Aだったらしい。どっち方面に行ったか探れるか？」






「「まかせて！」」








一郎の頼みに2人は声を合わせて叫ぶと各々準備を始めた。二郎は広い交友関係を活かし、目撃情報を探る。




三郎は近くの防犯カメラのデータから探し出す。






どうやらAはバスに乗りこみ、池袋駅西口で降りたらしいことまで情報を掴んだ。





優秀な弟を持ったなと緩む頬をなんとか抑えて、素早くスマホを操作した。


飴村乱数に連絡を取り、協力を申請した。気が向いたら手伝ってくれるだろう。








そして途中経過を入間銃兎に報告。「逃がさねぇぞクソガキが…」と物騒な事を呟いていた。









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「君、一郎と知り合いなの？」



「いあいい、いい、いいえ！！そん事ありません、万里小路だって珍しくありません！！」





「分かりやすい動揺の仕方ですねぇ」


「ああ、これでもかってほどの動揺の仕方だな」









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