黄瀬涼太は好きな子にアタックできません5

216話 ページ20

「…けんかしたまま迎えちゃったらもったいなくない？」

ニコッと笑うさつきちゃんの目は、恋する乙女の目だった

私もそれに釣られて微笑んだら、青峰くんが「あーさつきー」と呟いた



「25、暇？」



「暇、だけど、」と驚いた顔のさつきちゃん



「いこーぜ、どっか」

照れつつも気だるげに誘う青峰くん

…え？

さつきちゃんも同じことを思ったのか、2人で声がハモった

「…初デート。ってことでよ」

青峰くんの口から信じられない言葉


ってか、初デート…？


あ、え？！


「まって、付き合ってたの！？」

顔が赤くなって爆発しそうなさつきちゃん

「…んもーーー！！！きーちゃんたちにはもっとちゃんと報告しようねって言ったたのに！！」

ポカポカと青峰くんを叩くさつきちゃんに頬が緩んだ

「あ、お前らがいいなら4人でもいーぞー」
なんて私に言ってくれて。


さつきちゃんも、それいいねー！なんて笑ってくれて…。

黄瀬くん…、会いたい。なんて思って。

「Aちゃん、このまま学校帰るの？」

わたしはさつきちゃんの質問に頷いた

じゃあ、パパが迎えに来てくれてるから送っていってあげる！なんて言ってくれて

この2人にはなんてお礼したらいいだろう

わたしは立ち上がった二人の後をついて、桃井家の車に乗り込んだ

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