92話 ページ42
「9時からアップ、10時から試合形式、終わり次第個人練習に当たっていただき、一人一人呼び出して個人のデータをお渡しします。
そのあとは個人に沿った練習を続けていただき、お昼ご飯になります。」
この間笠松先輩と練った練習メニューを読みながら、自分でも地獄だと思った。
みんなの顔がみるみる曇っていく。
これは大会で結果を残すためにはやらなければならないメニュー
黄瀬くんの足もすっかり治ったので彼も今日から通常メニューだ
お昼の後のメニューも読み上げ、以上になります。と口を閉じると笠松先輩は、小さく頷いてくれた。
「おっし、練習開始だ。」
笠松先輩の声に、元気よく返事をし、コートに散らばる選手たち
懐かしいなぁ、この感じ
私も少し、一緒にやりたいなんて思ってみたりして…
「すごーい、Aちゃん…、さすが経験者…噂に聞いてただけある」
そう言いながら私の背中を叩いてくれた彼女は、3年生の橋本先輩
彼女は、テスト期間中はテストに集中するために部活を休んでいたため、しっかり会話したのが一昨日がはじめてだった。
「いやいや、…こんなんでいいのかわからないですが…」
ううんううん、と首を振ってキラキラの笑顔で私を褒めてくれる先輩はまだ少ししかお話ししてないけど
本当に素敵な人だと既にビンビンと伝わってきていた
…かわいいなぁ。
「今日から旅館の部屋も同じだし、仲良くしようね。お姉ちゃんができたと思ってくれていいから!」
ね?と首を傾げて笑う先輩に、思わず笑みを隠せず私も全力で返事をした。
先輩と一緒に部活をするのも後少し…なんて考えてすこしさみしくなってしまう。
そんなことを思いながら走り込みの準備をしている選手たちの元へ向かった。
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作者名:りん | 作成日時:2020年10月21日 5時