89話 ページ39
「やったじゃーん合宿ラブラブ大作戦決行だね」
もはや顔色ひとつ変えずにそんなことを言うリナは重症だと思う
「な、なにいってんの、!バスケのためだってば!」と慌てる私を見て、ふーん、と言いながら弁当を開けて手を合わせるリナ
リナはウインナーにフォークを刺し、口に運んだところで
あ、と声を出した
ふとそんなリナが目に止まり、「どうかした?」と私が声を漏らすと
「合宿!!!!いけるッス!!!!!」
背中からありえない音量の黄瀬くんの声が聞こえたと同時に肩に手の感触を感じた
「ぎゃっ!?!?」
まるで女子ではない声を上げて振り返ると
クラスのみんなは少し私から距離を置いていて、
190センチ近い大男が私の後ろに立っていた
何も悪びれるそぶりもなくニコニコで立っている黄瀬くんに、「いやびっくりさせんな!!!!!」と怒りながら私も席を立つ
そしてそんな私を見ながらリナはパリッと音を立てながらウインナーを頬張り「黄瀬くんおめでと〜」とつぶやいた
黄瀬くんはリナに軽くお礼を言いながら「俺の合計点ききたい?ききたい?」なんて私に答案用紙ぴらぴらしてきて
「聞いたら言わなきゃ行けなくなるからやですーーーー」
私も意地になって言い返した。
「英語95じゃないスか。5点もどこ落としたの」
そんな彼の手には私の答案用紙
「っっちょ!!!」
どうやってとったのか疑問に思いながら「返して!!!!ばか!」と私は声を荒げた
こんな大男には私が背伸びしても届かないわけで。
諦めてその場に立ち尽くした
そしてそんな私たちをリナはゴミを見るような目で見る
いやなにその目ッッッッ!!!
嵐のように去っていった黄瀬くんも、一応赤点回避のようで。
私たちの、合宿が始まる。
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作者名:りん | 作成日時:2020年10月21日 5時