86話 ページ37
黄瀬side
「すみません、わたしの部屋狭いのでリビングになってしまうんですけど…」
そう申し訳なさそうにいうAっち
本当に学校では見れないくらいオフの感じで、少し頬が緩んだ
「いやいや〜、助かるよ〜」
さて、と教科書の束を机にトン、と置いて顔色を変える小堀先輩に
俺たち3人の背中が凍った。
…
「ぶっ通しで3時間は鬼ッスわ…」
「無理…脳みそ溶ける」
早くにへばった一年組は、休憩が欲しいとブーブー文句を垂れ
そんな俺は、時折左手でAっちの愛犬と遊んでいた。
かーわいーっすねぇ〜
頬が緩んじゃうッス
「よーし、さっきやった小テスト見返すぞー」
犬と遊ぶ暇なんてねぇぞと言わんばかりにスパルタな小堀先輩に「はーい」と声を上げた
さすが三年生といったところだろうか…
なんでそんなに元気なんスか
白河。と先輩が名前を呼んで、背筋を伸ばすAっちに、小堀先輩が「お前、8割取れてるぞ。数学はもう平気なんじゃないか?」と優しく笑って
彼女は、え、と信じられないような顔をした
「えええっ!」
俺は考えるよりも先に声が口に出ていた
「ふーむやっぱりやってないだけでやったらできるタイプだな。」
「黄瀬とはちがうすね」
「ってどういう意味スか早川先輩!!!」
俺が犬を撫でるのをやめてAっちの答案を見ると、なんと本当にどれも点数が高い
どうなってんスか!!と声を荒げようと顔をあげると、真横にAっちが立っていて
彼女は俺の肩をポン、と叩いて
渾身のドヤ顔を披露した
その顔にもちろんイラァ…っとした俺は、
「っこのっ!!!!」
勢いでAっちの腕を掴んで
そんな俺に対抗しながら、彼女は「黄瀬くんは10点取れてるかな〜がんばってね〜」と更に俺を煽り始める
こいつっ…むだに煽りスキル高いッスね!!!
そんなイチャイチャをしていたら、小堀先輩の口から衝撃の「黄瀬…お前は…3割だ」という言葉が飛び出して
「何スかその差は!!!!」
俺のメンタルはぶちのめされて机に突っ伏した
小堀先輩は、早川もなかなかいけてるな、大丈夫じゃないかこれで
と、温かい声をかけた
…俺…合宿行けない…??
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作者名:りん | 作成日時:2020年10月21日 5時