黄瀬涼太は好きな子にアタックできません2 (ページ25)

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74話ページ25

『井上に告白されて？』
「はい…」
『意識ボワボワの黄瀬くんにハチマキのこと詰められて』
「はい…」
『嫉妬させて』
「…それはわかんないっすけど」
『んで？キスされて。』
「はい…」
『本人覚えてなくて』
「はい…」
『あっちからだけ義理でもいいからってハチマキ貰って』
「はい…」
『勢いで好きって言っちゃったと。』
「その通りでございます…」

今日比較的距離が遠かったリナに、ぜーんぶ話したかったけど、学校でなんでこんなこと話せるわけなくて。
夜の23時の風呂上がりに電話でこんな話して。

電話口から大きなため息が聞こえる

『ばっかじゃないの？？？何してんのあんたら』

ウッ…

『なにそれ、黄瀬くんがA好きかどうかもわかんないし、ハチマキだけなんて曖昧だし』

「…はい」

『はぁ～～～～。尊。』

「と、とうと？？」

『なんでもない。こっちの話。それで？』

呆れた声のリナだけど、なんだかんだこうやって聞いてくれて、友は大事だと思い知らされる。

「んんー、…これあたしらどう言う関係…？」

私の言葉に、電話口から、うーんと悩むリナの声が聞こえて

『両片思い、てきな？』とつぶやいた彼女の言葉に、

「両片思い…。」
思わず繰り返してつぶやいた

バァン！

「A～～！！あんたなんでハチマキ2本あるの～？？黄瀬、って誰か間違えたんじゃないの！」

ママは何も気にせずにドアを開ける癖を！どうにか！して！

ちょっと！と漏れた私の声も横の部屋にいた姉の声でかき消されて
「ママ知らないの～？学校のジンクス」

そんな騒がしい2人に、
「わぁぁぁ！うるさい！うるさい！いいの！洗ってって頼まれたやつで！！！黙って洗って～！！！」
と声を荒げた

『wwww』

相変わらず、白河家は騒がしい。

親を追い出して、バタンとドアを閉めると、電話口から『楽しそうで何より。』とリナが明るい笑い声を上げた

「こちとら大迷惑だよ…」

黄瀬くんの感情もわからないし、私は好きって言っちゃったし…

両片思い…。

きっと黄瀬くんはキスしたことも気付いてない…

てことは黄瀬くんがしたくてしたわけじゃないってこと…？

なら黄瀬くんは誰かにハチマキをあげたかっただけで？？

ん？？

考えれば考えるほどごちゃごちゃするよ…