65話 ページ16
黄瀬side
「黄瀬、おい!黄瀬!大丈夫か!!!」
熱い息を吐くたびにズキン、ズキンと膝の痛みが増して
悲鳴をあげていると感じた
ふと顔をあげると気がつかないうちに目の前に先生が立っていて
意識が飛びそうなほどに痛む膝を押さえながら
「大、丈夫ッス、足、くじいたみたいで、」と弱々しくつぶやいた
俺は眉間にシワを寄せながら、「立てるか」と心配そうな声をあげる先生によろよろとつかまって立ち上がった
情けねぇ…
「保健室、いくぞ。歩けるか」
先生の声が頭に入ってこないほどに痛む膝に心底自分の弱さを叩きつけられたような気がして
ズキン、ズキン
自分を責めた大きなため息をついたと同時に
「黄瀬くんっ!!!!」
心配そうな聞きなれた声がきこえて
「悪い、白河。こいつ休めておくから、閉会式終わり次第こいつの荷物保健室に届けてくれないか」
はい、と元気に返事をしつつ、彼女は心配そうに俺を見た
おいおい…そんな顔すんなよ…。
好きな子にこんな顔させて、
最低か…。
「閉会式を始めますので、生徒の皆さんは開会式と同じ形で整列してください」
繰り返します、とアナウンスが流れたと同時にAっちは背中を向けて走り出した。
ポニーテール似合ってるなぁ…。なんて余裕もないくせに変なこと思って
「保険の伊藤先生…は、さっきの熱中症の子の付き添いで病院か、、」
「黄瀬、ちょっとお前、熱っぽくないか、ベッド座っとけ」
涼しい保健室に着いて、言われるがままベッドに腰を下ろした瞬間、俺は意識を手放した。
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作者名:りん | 作成日時:2020年10月21日 5時