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633話 ページ42

優しく触れた黄瀬くんの唇は冷たくて

でも、とてもあまかった

「…んっ」


あぁ、私の好きなキスだ

そう思わずにはいられないこの食べられてしまうようなキス

黄瀬くんの優しい唇が私を侵食していくこの感覚にもう少し溺れていたい

そう思ったと同時にするりと黄瀬くんの大きな手のひらが私の頭の後ろに回って

私が唇を離すと、街灯の光が淡く黄瀬くんの目に反射して
ゆらゆらと揺れる目と視線が重なった

「…もしかしたら大学の途中で留学するかもしれないッスけど、…でもとりあえずあと1年は一緒ッス」

私の口元で喋る唇は冷たいのに、その言葉はとても暖かくて

私は顎をひきながら小さく「嬉しい」と呟いた

また離れた私たちの身長は、立ちながらキスをするのには向いてなくて
私が黄瀬くんの首に手をかけようと背伸びをしても届かなかった

すると黄瀬くんは、少しむすっとした私の顔が見えたのか
何やら企んだ顔をしながら私の両腕を掴み、それと同時に視界が反転した


壁に追いやられたと気がついた時にはもう遅くて
黄瀬くんは学校では絶対に見せない獲物を狩る時のような目をして
私の唇に自分の唇を押し付けた


…ちゅ、ちゅ、と響くいやらしい音がじわじわと私の鼓膜を揺さぶって

私が黄瀬くんの首に捕まろうと手を伸ばすと、彼は体制を整えるために私の足と足の間に膝をついた


「…っ、」




少し激しかったキスのせいで胸が上下して
顔が離れた黄瀬くんは、本能に満ちた目でぺろりと自分の唇を舐める

その行為に少し疼いたのは言うまでもない


彼は私の頭をもう一度ポンポンと叩いて体制を整えると、いつもの人懐っこい笑顔にころっと戻り
「ごちそうさま、帰ろっか」と微笑んだ


ごちそうさまってなんだよ、と頭の中でつっこんで

私は小さく「ぅ、うん、」と呟いた

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設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太 , 黄瀬   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:りん | 作成日時:2021年2月25日 10時

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