602話 ページ11
Aside
文化祭の日の朝はいつもと変わらず、でも少し心の躍っている自分は正直だなと呆れた声を漏らした
私たちの舞台はお昼頃を予定しており、すべてのクラスが1日2公演をこなす
たった1日しかない我が校の文化祭では、2回が限度だったようで
まあ2回やれるだけ感謝しないとな、とおもいながらため息をついた
お昼の集合時間までは、部活の部内試合を設営しなければならなくて
私はいまも電光得点板の後ろに腰掛けながら試合をぼーっと眺めている
黄瀬くんの合宿の時の試合方法のように、なるべくたくさんの選手が試合に出られるように組まれたこの文化祭特別試合は、朝から夕方までぶっ通しでやってるのだ
相変わらずうちの学校はバスケが有名なので、志望している中学生やファンや、はたまたバスケ雑誌のカメラマンまでいる始末
1日やっていると言うのに男バスの体育館はずっと賑わっている
私たちが今日舞台をやる体育館は校舎の一階にある体育館で、ここからは割とアクセスがいいのでまあギリギリまで試合の方にいられたらな、なんておもいながら
わたしはボタンを押して得点を入れた
今回の得点係やまあその他もろもろは全てマネージャーたちでシフトが組まれており、…と、噂をすればなんとやら
「先輩、すみません、遅くなりました!」
人をかき分けてパタパタといつもよりかわいい姿で走ってきた後輩マネージャーにシフトをバトンタッチして
わたしは「クラスお疲れ様、ごめんね、頼んだ!」と言葉を残して休憩に入った
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作者名:りん | 作成日時:2021年2月25日 10時