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521話 ページ30

「さっき火神くんは助けてくれなかったよねー」

「うっせぇな!俺もトイレ行ってたんだよ」

いつもより少し騒がしい楽しい帰り道、サヤちゃんの言葉に火神くんが声を荒げた

海から駅まではバスが通っていて、25分ほどの道のりを各々過ごしている




「火神くんたち元気ですね…」

と黒子くんが死にそうな声で呟いて、その言葉にリナがこっくんと頷いて返事をした

楽しかった1日が幕を下ろそうとしていて、またいつもの少しもの寂しいような感覚に襲われて
私も思わずため息をついた


すると横から「疲れた?」なんて声が聞こえて

顔を上げると視界に入った大好きな彼の優しい顔にまた胸がいっぱいになって

私は「…んー、でも楽しかった」ととびっきりの笑顔で彼に返事をした


みんなはそれぞれ前の方の空いてる席に座っているんだけど
2列挟んで後ろの席が空いていたので黄瀬くんと仲良く座っている

さっきまで裸だったようなものなので心なしか恥ずかしいけど

でもそれでも今までわりと忙しくて距離があった分

私の心はどんどん満たされていった


彼も私の返事に満足そうに笑って、少し眠そうに欠伸をしながら目を細め

「俺も楽しかった〜」と声を漏らして


椅子に着いていた私の手に大きな手を重ねた


いつもならびっくりして手を離したりリアクションしたりしてしまうけど

今日は少し疲れてるし、2人をゆっくりとした空気が包んでいるせいか
なんとなく心地よく感じてしまった

ふと視線を感じて顔を上げると黄瀬くんが少し色っぽい顔をしていて


その顔に子宮がきゅぅんとなった


そう、私の脳よりも、体が覚えてる

この顔はしてる時の顔だ


なんでそんな顔してるの黄瀬くん…


「…」

声をかけて名前を呼びたいけど、この甘い雰囲気をもう少し味わってみたいなんて好奇心すら湧いて

黄瀬くんは私の目を見つめたまま、握っていた手を色っぽく撫で上げた


それはまるで前戯のようで

薄く開いた彼の口から漏れた熱い息が、私を欲しているように目に写って

私の体はさらに疼き始めてしまった


ゆっくりと、撫でられる手

そらさない目


彼の目は、『抱いていい…?』と私に問いかけているようで

恥ずかしさでふと我に帰った私は咄嗟に目を逸らして黄瀬くんの手を握り返した

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設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太 , 黄瀬   
作品ジャンル:アニメ
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りん(プロフ) - zhenyangjingkouさん» ドキドキだなんて…嬉しいです( ; ; )温かいお言葉ありがとうございます( ; ; ) (2021年1月25日 18時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Mさん» いつもいつもいつもいつもありがとうございます( ; ; )( ; ; )( ; ; )これからも末長くよろしくです (2021年1月25日 18時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
zhenyangjingkou(プロフ) - いつも愉しく作品を読まさせて頂いております。こちらの作品は面白く、ドキドキするところが多いのでいつも読んでいます。これからも頑張ってください!! (2021年1月24日 10時) (レス) id: 6cb8df7d81 (このIDを非表示/違反報告)
M - 更新再開、嬉しいです!まだ読み続けてますからね!頑張ってください! (2021年1月23日 19時) (レス) id: 7323c34b15 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ゆまさん» わぁぁ嬉しいです( ; ; )最近忙しくてゴミ更新だったんですけど、今日からまた爆速になるのでご安心くださいっっ!!!! (2021年1月21日 11時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2020年12月17日 7時

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