黄瀬涼太は好きな子にアタックできません10

443話 ページ2

黄瀬side


俺が計画したみんな仲良し計画は無事大成功。

我ながら天才だと思った

みんなと仲良くなれて、夜ご飯の時も軍で固まっていたみんながちゃんと打ち解けている

これで部活らしくなったな、と思った反面
初対面だとやっぱり相手を生かせないプレーしかできない自分に心底腹が立った

俺たちがご飯を食べていたら、監督がお決まりのレギュラー収集をかけて

レギュラーの一年3人の顔が青ざめていくのがわかった

きたきた。なんておもって
これを楽しめる側になったことで歳を感じてしまったりして

震える後輩3人の背中を叩いて「大丈夫ッスよ」とつぶやいた


笠松先輩と尾川と花火の前に風呂に入ろうという話になって
後輩たちには花火ということがバレないように黙って風呂に入った

今回の試合をやらせるのが結構良かったと褒めてもらえて、定期的にやったらどうかという誘いを受けた

そうしたらみんなのモチベーションも上がるし、月に一回試合に出られるのは選手にとっていいことなのではないかという話になった

俺もそれに賛成をして、これからもっと、仲のいい部活になってほしいと思った



風呂を出て髪を乾かすと、なんだか2年前の花火を思い出して少しエモい気分になって

花火でAの過去をたくさんきいたこと、祭りでちゃんと告白したこと、それら全てがドライヤーの風でフラッシュバックした


あれから二年も経ってるのに、全然好きさが変わらない

なぜだろう


ずっとそばにいてほしい、ずっとそばにいたい。

彼女のために優勝したい

日本一の景色を見せてあげたい


そんなことを思うようになっていた



エモい気分になるとやっぱり猛烈にAに会いたくなる

あー、早く会いたいッスね


花火、今年も2人でできることに感謝


俺は少しニヤニヤしながらドライヤーを止めた

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