【黒バス】探偵少女は真実を守る-episode extra-

▲真実-258-▲ ページ40

京都の某所、紅葉に彩られた庭園の一角に、黒服を数人侍らせた初老の女性が佇んでいた。


彼女の名は、赤司緋紗絵。


赤司ホールディングスの現社長、赤司政征の姉にして、実質赤司家を切り盛りする女傑である。


緋紗絵はイライラしていた。


それは、息子緋夢からの一本の電話からである。



紗「まったく…久々に音信が届いたと思いきや、随分と馬鹿馬鹿しい事を話し出して…。

あれほどあの一件については口外にするなと伝えたのに。」



そう言って、緋紗絵は庭園の紅葉の葉を一枚むしった。


美しい緋に染まったそれを人差し指と親指でくるくる回しながら、彼女はその端整な顔を歪ませる。


そう言えば、と緋紗絵は黒服の一人に問い掛けた。



紗「緋夢も言ってたけど…黒子テツヤが、真実を記した手記を、外部に手渡したんだって？

………ちゃんと後始末はしてるんだろうね？」


「はい、もちろんでございます。

…ですが、まだ生きているようです。」



紗「はぁ？」



「我々の銃弾を避けた奴は、そのまま階下に落下して行きました。

結果、全身を強打して脊髄損傷、心配停止で危篤状態に陥りました。」



紗「危篤ねぇ、つくづくあの餓鬼は死に損なうんだから。」



黒子がまだ生きている事に、緋紗絵はますます不機嫌になる。


癇癪を起こしていないだけマシではあったが、黒服達はいつその逆鱗に触れてしまうだろうかとひやひやしていた。



紗「…まぁいい、危篤って事はいつぽっくり逝くのか分からんって事だ。

そっちは時の流れに任せるとして……緋夢だ、あの子にはほどほど愛想が尽きたね…。

さんざん手塩に掛けて育ててやったのに、とうとう親を警察に売る真似に出るだなんて。」



とんだ馬鹿息子だ、と緋紗絵は嘲笑する。



紗「どこの馬の骨に感化されてこんな行動し出したのか知らないけど、さすがに恩を仇で返されたんじゃあ堪らない。

…あの子には少しお痛が必要みたいだ。」



ざあっと北風が枯れ葉を巻き上げ、紅葉を散らす。


緋紗絵はにやりとほくそ笑んだ。



紗「待ってなさい、緋夢。

あんたの望みどおり、ちゃんと来てあげるよ。

そして……。」



たっぷりお灸を据えてあげよう、クソ餓鬼。


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明日から新中三ですってよ(´Д｀)

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