▲Truth by Black-250-▲ ページ32
――一年前、合宿二日目の真夜中
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貴「黄瀬さぁぁあぁあああああぁああんッ!!!!」
冷たく湿った空気にAさんの絶叫が木霊した、次の瞬間。
ズダァァン…という、何かをぶち抜く音が僕の鼓膜を震わした。
桃「ひぃっ……!?」
桃井さんが、ひきつった悲鳴を出して、後ろを振り返った。
…彼女の目の前には、見事に背後から頭を撃ち抜かれた…黄瀬君が倒れていた。
すかさず僕は近付こうとしたが、間もなく僕の真横を弾丸が掠めて行ったので、とにかく生きる事を目先の目標として掲げ、桃井さんとAさんの腕を引っ張って逃げた。
火事場の馬鹿力という奴だろう。
普段では絶対にあり得ない速度で山道を女性二人を引っ張り駆け抜けた。
申し訳ない事に、とにかく二人を連れて逃げ延びる事に必死で、その時点ではすっかり赤司君に言われた事だとか黄瀬君の事だとかは忘れていた。
でも、そうしなければ逃げられる自信が無かったんだ。
黒「はっ……はぁっ……くそっ…!!」
桃「ひぐっううぅ……うっ…はぁっ…!
きーちゃ、ん…きーちゃんが……ッ…!」
貴「はっ…はっ…さ、さつきさん…!」
桃井さんにはこの速度がきつかったのか、途中何度か転びそうになった。
その度に、Aさんが桃井さんの背中を支えて、何とか走り続ける事が出来た。
…それでも、限界というものがあった。
黒「あっ……!!」
僕は山道に転がっていた大きめの石につまづき、盛大に転んだ。
当然、腕を引っ張っていた二人も転び、見事に三人とも前方へ転がる羽目となった。
急いで立ち上がろうにも、桃井さんはあまりにも速く長距離を走り続けたためか、足に力が入らない。
しばらくもがいている内に、僕達を探す声が大きくなってきた。
黒「も、桃井さん…僕につかまって、」
桃「…テツ君、Aちゃん。
私を置いて、逃げて。」
黒「は…………?」
僕は自分の耳を疑った。
それはAさんも同じだったらしく、すぐに目を見開き、桃井さんに詰め寄った。
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ファイ - 主人公の死の真相知りたいです。書いて下さるとありがたいです(>_<)いつも応援してますっ!!続編楽しみに待ってます! (2014年4月28日 22時) (レス) id: e6e8d659c5 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(ayamea)(プロフ) - extraに入らない方が面白かったです。江戸川ちゃんの狂った感じとか、大好きだったのに、残念です。 (2014年4月26日 23時) (レス) id: cea22bda8f (このIDを非表示/違反報告)
ミカゲ(プロフ) - 春休みの宿題がおわんなくて、ずーっとパソコン出来なくて久しぶりにみました(^^ゞ黒子ぉぉぉ!!生きててよかったぁぁぁ(ToT)/~~~ (2014年4月8日 23時) (レス) id: e410611b3b (このIDを非表示/違反報告)
ドア?ちゃんと閉めたよ、心配しないで。 - すぃませぇん〜(ぶりっ子風)緋紗絵さぁ〜ん、ちょっとぉ今日の放課後、体育館裏来てくれなぁ〜い?← (2014年4月8日 13時) (レス) id: 1808592c18 (このIDを非表示/違反報告)
snowまろ♪ - そうなんですか・・・僕もちょうど今日から3年!くうrrrrろこっち!!生きてたんすね?!あと、いきなり言ってすみませんが、心肺停止が心配になってますよ〜。 (2014年4月7日 20時) (レス) id: 722b590d3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤司うつほ@失踪するかもしれない | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/utsuhobunkacho/
作成日時:2014年1月8日 6時