▼真実-25-▼ ページ26
教室に戻る。
結局あのあと、他の人間は朝練をしていたようで、始業20分前の現在、教室にはそれほど人がいない。
田無の席にも、荷物はなかった。
貴「………ん。」
その時、Aは田無の机に、何かが入っているのを見つける。
本人はいない、こっそり見させてもらおう。
周りの人はどうせ下らない話に夢中だから、気付きやしない。
水玉模様の可愛らしい表紙の右下に、"田無神楽"と、それもやはり可愛らしい丸文字で書かれたそれは、一冊のノート。
何のノートか、書かれていないという事は、きっと手帳のようなものだろう。
田無には悪いだろうが、Aはさほど気にせず中身を読み始めた。
…それは、完全にただの呪い帳だった。
『マジ桃井ウザい。
私の方が真面目に働いてるのに、なんであいつの方が大事にされてるの？』
『今日もあいつは楽しそうに黄瀬君とおしゃべり。
彼、私とはあんまり話してくれないのにね。
ずるいずるいずるいずるい！』
『そう言えばあいつ彼氏いないんだなーとか思って聞いてみた。
コクられても振ってるそうで。
全人類の敵が。』
『あ、桃井が私に嫉妬して襲ったって事にしたらどうなるかな？
あいつお人好しだから、案外あっさり引っ掛かってくれそう。』
貴「…馬鹿馬鹿しい。
嫉妬ごときでこんな事して、頭沸いてるんですかね…。」
ふと、Aは教室の時計を見る。
そろそろ田無が戻ってくる時間だろう。
貴「しばらく拝借するとしましょう。
…コピーしたら、返してあげます。」
そう言って、自分の鞄にノートを突っ込んだのだった。
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一時間目が終わった。
Aにとって、学校の授業というのは、とりあえず真面目に取り組めばいくらでも応用可能な、案外使える物だった。
だから、頭がいいからと傲ったりはしない。
黒「…頭、良いですね。」
隣席の黒子が、話し掛ける。
彼の机はキズだらけだった。
貴「伊達に五年間探偵やってません。
…教室にいる内は、なるべく話しかけないように、彼らの認識上、私は田無さんの味方ですので。」
黒「…はい。」
貴「安心してください、放課後になればいくらでも協力させていただきますから。
…ちょっと、面白い事も思い付きましたし。」
そう言うと、Aはくすくす…と怪しく笑うのだった…。
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殿堂入りありがとうございます！(●ω○)
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流海 - 夢主の性格が最高過ぎます！面白いです！ (2017年4月30日 18時) (
レス) id: 7de778a5af (このIDを非表示/違反報告)
黒蝶 - 二年たってる今じゃ見てないかもしれませんが、この小説すっごく面白くて大好きです!夢主のゲロカスとか正論すぎて爆笑してましたｗｗ偶々この小説を見つけて本当に良かったです!! (2015年8月20日 17時) (レス) id: 31fa2bd0da (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - はぁあすっきりっwめちゃ面白いすよww (2015年4月28日 23時) (レス) id: de22cd0d70 (このIDを非表示/違反報告)
ぶらってぃーらびっと(プロフ) - 夢主w狂ってますなーw (2014年8月29日 20時) (レス) id: 5e0462a61f (このIDを非表示/違反報告)
東方見聞録 - 画像がほとんど見れない件について………？ (2014年5月6日 13時) (レス) id: 6155e32571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤司うつほ@嘉音君可愛い | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/utsuhobunkacho/
作成日時：2013年7月24日 19時
