切り取られた奇跡 [末ズ] ２

新しい家族 ページ13

「○さん。お粥作っといたんで、○先生目が覚めたら暖めてください。」

キッチンから出てきた○くんに、
よっちゃんは、

「あらっこれまたイケメンくんね？
和ちゃんのお友だち・・・じゃないわよね？」

と、頬を染めながら○くんを見上げた。(笑)

「あっ。そうそう。吉田さん。こいつ○ってんだけど、覚えてっかなぁ。
あの事故の時、事故にあった小さい子どもがいたの。それがこんなにでかくなったんだよ。
俺と和の新しい家族になるんだ。

○。この人は、○くんとこの看護師さんで、吉田さんだ。
俺達も世話になってんだ。」

○くんは、よろしくお願いします。と頭を下げ、よっちゃんは、そんな○くんの手を握り、

「覚えてるわよ！！大きくなったわね？
お父さんもお元気？」

と聞いていた。

二人が話していると、んっ。と、○ちゃんが唸った。

自分から引寄せたと言えど、ずっと胸の上に僕を抱えていることは辛いのだろう。

「○。ごめん。起こして？
○ちゃん苦しそう。」

長い間同じ体制をとっていたせいもあってか、体が痺れて動けなかった。

○は、そんな僕をひょいっと抱き上げると、
痛むとこはないか？と聞いてきた。

痺れただけ。と答えると、そっか。と○が頭を撫でてくれた。

見ると、よっちゃんは、泣いていて、
苦労したのね。と○くんを抱きしめていた。

○くんは、驚いていたが、どこか戸惑いながらも嬉しそうだった。

償い ○→←新しい家族

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す