【黒子のバスケ】関わらないでください21【赤司征十郎】

不登校＊1063 ページ15

唇が離れると征くんは微笑む。

結局征くんのペースに持っていかれてしまう。
どうやっても征くんは次の駒を出してくる。

いくら駒を動かしても征くんのキングを取ることは出来ない。
先に私のキングを取られてしまうから。

征くんは簡単に『チェック・メイト』と私のキングを追い詰める。
私が取れる駒はせいぜいポーン。

周りを固める兵士だけ。
ナイトやクイーンは勿論、ルークやビショップも取らせてくれない。

でもポーンもわざと取らせてくれてるのも知ってる。
自分が楽しむために。


いつか自分の力だけで征くんのキングを取りたいな……


征くんと見つめあっていると征くんがゆっくりと唇を近付けてきた。
あと少しというところで部屋のドアをノックされて慌てて離れる。

征くんはドアを開けて出た。


「黄瀬くんが明け方の散歩兼走り込みを皆さんでしないか、と」

と黒子さんの声が聞こえて私もドアの方へ行く。
征くんの後ろに隠れながら黒子さんを見ると黒子さんと目が合った。


「おはようございます」
「おはようございます。すごい寝癖ですね」
「そうですか？」

と黒子さんは髪を触りながら言う。

征くんがもし寝癖があって気付かなかったら…なんて想像してしまってニヤけてしまい、征くんの背中に顔を隠す。

征くんに寝癖という時点で可愛いのに、それに気付かなかったら…

「可愛い……っ」

と一人で想像してはニヤニヤと笑う、変態じみた事をした。
黒子さんからの冷たい視線には何となく気付いていたけど…

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