思い出のオンボロバイク《龍宮寺堅》

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高校生活最後の夏休みも残り１週間。
今日は登校日且つ夏季模試の日で、久々に会った友人達と夏休みの話題で教室はいつもの倍くらい賑やかだった。
私も遊ぼう！と言っていたのに、遊んでいない友人達との話に花を咲かせていた。



「あ、そうだ！私、夏休み中に彼氏できたんだ〜」
「まじ！？良いな〜紹介して！」
「彼氏の友達誘って遊びに行こうよ〜」
「夏が終わっちゃう！」



彼氏が出来た、と言う話題。
女子が1番好きな話題は、皆喰い気味だった。
勿論、私もどんな相手か気になって質問するのだが、"彼氏"と言う単語を聞いて頭に浮かぶのは龍宮寺君だった。

最後になるかと思った夏祭り以降、デート…と呼ぶには忍びないが図書館からの帰り道の時間を毎日ではないが共にしている。
メッセージのやり取りも続いている訳ではあるが、付き合う、と言った話題は一切登らず…自分と彼の関係はどんな物なのだろうかと考えていた。



「あ、友達も誘ってバーベキュー行こうって」



絵文字のハートが満載のメール画面を友人が此方へ向けて、あぁ恋人同士のメールはこんな絵文字になるのか、と友人の話す内容よりもそんな事が気になった。
龍宮寺君から送られてくる絵文字は殆どなく、送られてきた！と思えばお怒りマークだったり骸骨のマークだったりが常だ。



「彼、大学生なんだけど車出してくれるって！」
「最っ高！」
「今週末、大丈夫か？ってー」
「全っ然大丈夫！」
「大丈夫じゃなくても大丈夫にするし！」
「Aも大丈夫だよねー？」
『週末かぁ〜…』



週末は龍宮寺君と図書館からの帰宅デートが出来る日なんだな〜…と思い返事に悩んでいた私を勝手にメンバーに入れている友人は、Aだって彼氏欲しいでしょ？と小首を傾げていた。





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