★2 ページ2
「朱里さん！スッゴク素敵で、大野さんが羨ましいです！あんな美人で優しくて、アーティストな彼女がいて」
「なんか分かるなぁAちゃんがファンになるの。朱里ちゃんって、男前だよね
さて、これとーこれ、イテッ。肘ぶつけた…」
にこにこしながら絵本を出しているが、長い手脚で座る相葉さんには子どもの閲覧用の椅子では窮屈そうで、バタバタしていて……なんだか微笑ましかった
「相葉さんの彼女さんにもお会いしたいです」
(こんなに太陽みたいな人を射止めちゃうなんてすごいなぁ)
「フッフー。今度ね連れてくるよ。可愛いぞー。メチャクチャ！！フヒャヒャ！」
そんな風に煩くならない程度に笑いあっていると
頭の上から声が降ってきたかと思うとグイと腕を捕まれ、立ち上がってしまう
「いーからさっさと準備をしなさいよ、このスケベ教師。星子はあっち！観覧席ね！」
振り返ると銀縁眼鏡に白衣を着た二宮さんが冷たい目をして立っていた
「二宮さん！」
二宮さんは無言でグイグイと私の腕を引っ張ると
「ほれ」
ある座席にストンと座らせた
(あ、この座り心地……)
うっとりとナチュラルブラウンの椅子に手を滑らせると
二宮さんは満足そうに笑った
「大野さんの作品ですよ。やっぱり星子にはすぐ分かるか」
まるで自分のことのように嬉しそうに笑う二宮さんの笑顔にドキッとする
「はい。座り心地が他と全然違うから……」
座ったお尻や背中にしっとりとする触り心地と嵌まるような感覚は他の椅子にはない
(閲覧室の椅子も見事だったし)
「そ？まぁ、一脚30万からが一番安いって椅子作る人だからね……バカ高いけど、それなりに価値はあるんだろうね」
二宮さんは額に左手の人差し指を置いて
「ま、ここの椅子は材料は廃材だし格安で作らせたんだけどさ」
ニヤリと笑う
「そーなんですか？」
(こんなに素敵な椅子ばかりなのに？)
「そんなに予算出せないでしょ？だけど」
二宮さんは少しだけ眼鏡の奥の目を細めると
すぐに意地悪そうな顔になる
「知る人ぞ知る大野智の作品がある図書館。廃材でも逸品に仕上げる大野智の腕の披露。どちらもメリットになるでしょうよ。」
キランッと眼鏡に円マークが光った……のは
(漫画の読みすぎかも)
「なるほどー」
頷いていると相葉さんの大きな声が響く
「ちょっとニノ！Aちゃん！もう始めていい？みんな待ってるよ！」
気付けば子ども達が相葉さんの周りに集まっていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 486人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻宮 - またまたコメ失礼します。櫻宮です。星月夜には愛を謳うのパスワード教えていただけないでしょうか？よろしくお願いします！ (2021年7月23日 16時) (
レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 分かりました！わざわざコメ辺ありがとうございますm(_ _)m (2021年7月22日 9時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 櫻宮さん» 櫻宮さん。コメントありがとうございます。お問合わせのパスワードは『夜空を君と公開について』をご覧ください。再公開のため新しい内容ではないです予めご了承くださいm(_ _)m (2021年7月19日 22時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 初めまして。櫻宮です。一つお聞きしたいことがありまして...この[夜空を君と]の３と４がパスワード認証になっており中身が見れません。パスワードを教えていただけないでしょうか？よろしくお願いします。 (2021年7月19日 18時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
咲(智咲)(プロフ) - ぷうさん» コメントありがとう。翔さんにチェロ持たせたいよー( *´艸｀) 似合うと思うの麗しいよね！しかもリベルタンゴを是非！願望駄々もれです(笑)続きも頑張りますね！ (2016年9月13日 20時) (レス) id: ba6a9accd5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲詩(さきうた)
| 作成日時：2016年8月17日 9時
