晴れ時々、かなり晴れ【逆先夏目】 (ページ16)

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16.家族旅行-4：バイキングページ16

夜。夕食会場のレストランには目一杯の料理の盛られた皿が置かれ、各自好きなものをとることができるビュッフェ形式である。
　ここで皿を見ればどんな人間か分かる…とまでは言わないが、確かに参考になるだろうというのがA兄の意見であった。
　例えば彼の妹、A。大皿にローストビーフとウインナー、ミニハンバーグと大きなラフテーを乗せ、メインにはジューシーとクリームシチューである。それからデザートのプチケーキに杏仁豆腐とフルーツポンチ。

「いやお前キッショ！もしかして野菜を知らない人？」
「バイキングなんて自分だけのオリジナル最強ディナーを作ろうじゃん。わざわざ食べたくないもの入れないでしょ」
「キメェ～夏目見ろよ」

　逆先のトレーは小皿に盛られたサラダから始まり、メインの白米、海ぶどうに筑前煮を少し、メインにはゴーヤチャンプルーを盛っている。それだけでは足りないだろうからもう一皿追加して、小さなパンを数個乗せていた。どうせオカワリをするのでトレーに乗り切る分だけである。
　こんなところまで流石というか、アイドルとして食育までされてんのかしらと思うほどである。

「え～もっとお肉食べな！夏目！だからそんな伸びないんだって」
「うるさいナ、まだ伸びてるヨ」

　因みにA兄はカレーライスと沖縄の郷土料理を少しずつ、母はゴーヤチャンプルーを大量に取り、あとは地ビールをバカバカ開けているだけである。