あと8話……その人は。 ページ41
〜Aside〜
《え………自我、あるんだ》
不思議と、冷静に受け止めている自分が居た。
ヤバイな。こんな3次元じゃ有り得ないようなことが次々と起こってるのに当たり前みたいになってる。
感覚が麻痺してきたか…? 僕からしたら別次元の出来事の筈なのに当たり前に受け止めてるわぁ…。
《それで……君の夢に現れた理由なんだけど……》
急に声のトーンを変えて、深刻な話がある、とでも言いそうな雰囲気で話しかけてくる。
そんな雰囲気に、こちらも思わず生唾をのんで次の言葉を待つ。
《………別に、これと言って用事がある訳じゃないんだ〜》
ガクリ。
そんな音が似合うと思う。
いきなり柔らかい雰囲気に戻り、柔らかい口調でそんな事を言ってきたため、膝から崩れ落ちた。
《なんだそれ…じゃあ、なんで僕の前に出てきたの…?》
用事ないなら出なくていいじゃん… と項垂れていると、上から少しトーンの下がった声が聞こえた。
《別に、用事って程でも無いってだけで…理由はあるんだよ?》
また、突然下がった声と、次はおふざけじゃないとでも言いたそうな雰囲気に、少し怖じ気づいてしまいそうになりながら下げていた顔を上にあげた。
《ねぇ、僕は……忠告しに来たんだ》
いつの間にかすぐそこに居た蛇は、徐々に姿を変えていった。
《君は、こちらに来てから随分と柔らかくなったね…?》
黒い何かに包まれ、
《あちらに居たときには、あんなに周りを拒絶していたのに。》
右へ左へ歪んでいき、
《でも駄目だよ。今更信じても良いかもしれない、なんて》
段々と、人影になっていき、
《そんなこと考えてたら、また"あの時"みたいになっちゃうよ?》
足元から、色がついていく。
《ねえ……》
《あ………な、んでっ》
思わず、声を上げる。
だって、全てが色付いたその人は…………
《A…?》
《にい…ちゃ、ん……?》
紛れもなく、
僕が、あちらの世界で唯一心から信じていた、
《"あの時"の事、もう忘れちゃったのかな?》
実の兄、だったから。
88人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!そして応援も大変ありがたいです(*'ω')是非頑張らせて頂きますね! (2017年8月30日 4時) (レス) id: b267acf381 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 桜雪(さくらゆき)さん!頑張ってください!《*≧∀≦》 (2017年8月30日 2時) (レス) id: 7586d8e8db (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - 凜音(仮)さん» だ、大丈夫ですか??無理はしないでくださいね…………ありがとうございます!私立も公立も頑張りたいと思います!終わったら必ず再開するので、もう少しお待ちしてくださると嬉しいです! (2017年2月21日 23時) (レス) id: b267acf381 (このIDを非表示/違反報告)
凜音(仮) - ツカレタヨー テストとかテストとかテストとかテs((((すみません.色々あってオカシクなりました…まぁ、桜雪(さくらゆき)さん!私立受験頑張ってください!マッテマス!(`^´)ゞ (2017年2月21日 23時) (レス) id: dd74d78c4b (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - ジューナナイモートさん» 2人でしてくれたんですかね?もう本当にありがとうございます!待っててくれるなんて…!なるべく早く再開できるように頑張ります!! (2017年1月29日 23時) (レス) id: b267acf381 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜雪(さくらゆき) | 作成日時:2016年1月30日 4時