97 専用衣装/ おはよう ページ47
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カチ、シュ…、カチャ
「っ…、…?」
音が聞こえる。
何の音だろうか。
というか、
ここはいったいどこだ?
「……ぁ、あ、っぅ」
声は出る。
今さっきまで施設長と話していた気がするのだけれど。
「…A、ちゃん?」
声が聞こえた方に顔を向けると、そこにはあんずの姿があった。
スーツ姿で紙に何かを書いている。
( …何であんず?)
ていうかここはどこだ。白い天井、動かない体。
「う、…っ〜」
「!? ど、どうしたの…！あ、まずはお医者さん呼ばないと…!?」
「医者…?」
と言われてようやく理解した。
ここは病院なんだと。
あんずが病室を飛び出して、こんがらがっている記憶を整理する。
確か施設長と一緒にいたのではなく、学院で夏目といたんだった。夏目があまりにもムカつくことを言うからどんどんイライラしてきて、それで頭が痛くなって…。
それから走ってきたのか息を切らした医者とあんずが部屋に入ってきて、いろいろと質問をされた。どこか痛いところはないか、自分がどこで倒れたのか、など。答えられる限り答えて、その間にもあんずは手を組んで心配そうな目で見守っていた。
「様子を見る限り特に異常もないみたいなので、いつも通り栄養失調と過度なストレスで倒れたみたいです。今回は3週間も目を覚まさなかったんですよ、右京さん」
「……そう、ですか」
「…これが続くようだったら拒食症として診断し、入院してもらうかもしれません」
「…」
「右京さん、自分の体を大事にしてください」
とりあえず目を覚ましたので一晩休んでもらってから栄養を入れますので、と医者は病室を出て行った。
「ありがとうございます…！」とあんずが頭を下げる。
「Aちゃん…目覚めてよかった、安心した」
「…」
「マネージャーさんには看護師さんから連絡してくれるって」
「…そう」
「…」
マネージャーさんが来たところでまたいつもみたいにある程度栄養摂って退院させるに決まってる。
こんな事務所の売り目にしている稼ぎ頭を長らく入院させるわけない。
もっとも、もう3週間も入院しているのだから見捨てられてるのかもしれないけど。
そうなったら良いのに。いっそのこと目なんか覚めなくてよかった。
「逆先くんが…」
「…夏目?」
「うん。ずっと、Aちゃんのそばにいてくれたんだよ」
夏目がそばにいてくれた。
( ウソつき )
「……いないじゃん」
どこにも、いないよ。
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かげやま(プロフ) - mmkさん» コメントありがとうございます☺️ かっこよくてカリスマがある俺零を書けてるか不安だったのでそう言ってもらえて嬉しいです〜😿！mmk様もお体にお気をつけてお過ごしください！更新頑張ります✊ (2022年8月15日 11時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - すごく面白いです…！！俺零様がとても好きです…！！これからも体調崩さない程度に頑張ってください！更新楽しみにしてます! (2022年8月15日 11時) (レス) @page43 id: 27732d5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年7月13日 14時
