17 専用衣装/ 痛みと悲痛 ページ17
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久しぶりに目が合った。ESビルが設立されて、4つの事務所に分配されるようになってから、彼女の事は画面や紙という媒体越しでしか見れなかった。
だから学院に来ていると聞いた時は驚いた。
そもそもあの子は勉強が嫌いだから学校という存在を嫌っていたし、多忙な今来る必要が無いのに。
急いで、だけどそれがバレないように早歩きで。書類上は一緒の教室を覗いても、彼女はいなかった。そこら辺にいた生徒に聞けば、荷物を持って出て行ったとの事。
( …帰ったんダ)
でもこんなチャンスもう無いからと、夏目は先ほどとは打って変わって走って下駄箱へ向かった。
_ ああ、いる。あの頃とは全然違う見た目。
見慣れたはずなのにこの学院にはやっぱり合ってなくて。
深呼吸をして名前を呼んだ。
「…」
「A…、学校来てたんだネ」
「…夏目」
そして、Aは倒れた。
言葉が途切れたのは体に異変を感じたからか。
叫んだだけで倒れてしまうくらい、弱っていた。
「A…っ！」
「…ぁ……う」
床にへばりつくAに、夏目は肩を震わせた。
目の焦点が合ってない。ぼそぼそと呟いているが何も聞き取れなくて。
どうすればいいのか考えていると、ふいにAが夏目を見た。
「…ぃ、やだ……なつめ…どこにも……いかないで」
息が、できなかった。
「……」
それからどれくらい経ったのだろう。5秒? 10秒? 夏目は数分間呆然としていたような気がした。佐賀美陣に肩を掴まれられなければ、そこに数十分いたのではないか。
手元に横たわるAを放置して、Aが言っていたことを考え続けていたのではないか。
「何があった！」
「…」
「逆先…? おい！」
「っあ…、あ、Aガ……いきなり倒れテ、」
「とりあえず保健室に運ぶぞ」
「……」
俺が救急車に電話するから逆先は右京を。
言われたままにAを抱き起こす。が、あまりの軽さに驚いて思わず落としそうになった。まるで骨だけを持っているみたいだ。
__ 「私をひとりにしたのは、こんな風にしたのは、まぎれもないみんなでしょ!?」
__「…ぃ、やだ……なつめ…どこにも……いかないで」
「…A、」
あの頃のボクらにハ、正解も不正解も…何が問題なのかも分からなかっタ。
夏目はAと初めて会った日のことを思い出す。
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは！コメントありがとうございます！新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…！楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年4月2日 0時
