249 専用衣装/ 恋バナ ページ49
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「じゃあそういうことで」と紙をまとめるのを見て、Aは吃りつつも声を出し、相手の手を止めた。
いつも無言で聞いて何か質問しても「はい」「大丈夫です」の返事のみだった彼女が話しかけてくるなんて。と、思っていそうな表情をしてくるので少し申し訳なくなる。
「…、わがままを言ってるのは承知なんですけど、セットリストの追加を…希望したいです」
「どうして急に…、というかそれは難しいかな。アルバム制作にも関わってくるから」
「ア、アルバムには入れなくてもいいので、新しく曲を作ってほしいわけでもないし、せめてライブで…」
「今までの打ち合わせで言ってくれればできたけど急には無理だよ」
正直、そう言われるだろうなと分かっていた。
皮肉めいたことを言われてしまえば、Aももう「そうですよね、すみません…」としか言えなかった。
言い訳をするとそんなことを言える環境で育てられなかったのに言えるわけがないが。
スタッフさんは、気まずくなりつつも席を立った。
ため息をついてテーブルに頭を倒す。
もう月末には年末。年明けにはチケット抽選開始。
もっと早く思いついていたらな。
するとドアが開く音が聞こえて、まずい次の人が使うのかと起き上がる。
が、入ってきたのはあんずだった。
「あ、ここ使ってま…ってAちゃん！今から何かある?」
「ううん…今終わったとこ。私の方こそ出るよ」
「いやいいよ！ちょっと書類の整理したいだけだから。Aちゃん休憩してたんでしょ? 疲れた顔してる」
以前喧嘩別れしたというのに、相変わらず切り替えが上手である。確かに疲れているし、とAは息を吐いた。
あんずは忙しない様子で書類をバサバサとテーブルに置いて、1枚1枚確認し始める。プロデュース科で1年先輩であるあんずは去年以上に引っ張りだこらしい。
「そういえば最近映画の撮影順調だって聞いたよ。朔間先輩とも上手くやれてるみたいで安心した」
「！…い、いやあの、…心配しなくても私はあんずから奪う気はないし、ある程度の配慮は尽くしてるから…」
彼氏が恋愛映画に出るなんて、心配どころじゃないだろう。
しかも相手はAときた。
冷や汗をかきながら頬をかく。
「え、何の話?」
「零先輩の話…だけど。つ、付き合ってるじゃん…2人」
「…へ!?」
「…?」
「付き合ってないよ！そんなわけないじゃん!?」
「え……」
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
