219 専用衣装/ 忘れたいのに ページ19
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「あ…おかえり、2人とも」
楽屋に入るとコートを着た薫くんが出迎えてくれた。
繋がれてる手を一瞬見たけど、何も言わなかった。
( …薫くんは何を考えてるんだろう )
何か言ってくれればいいのにな。
「俺が上手く誤魔化しといたから、心配しなくていいよ」
「う、うん…ごめんね、薫くん」
「あはは、ありがとうの方が嬉しいよ。それに呼び方もそっちの方が嬉しいね！羽風さん、ってすごい寂しいじゃん」
「…夏に出た熱愛報道で社長さんが厳しくなっちゃって。
アイドルでも誰でも距離感を大事にしろって…私が言ってほしいのはそうじゃないのにね」
「…そんなに、辞めたい?」
「……辞めたい。アイドルなんて、ならなきゃよかった」
人間として扱ってくれない。
事務所が売れればそれでいい人に買われた商品なんだ。
でも、それを受け入れたのもAだという事実。
すべてはママが生きている前提だからできたこと。
「それで、零くんはいつまでAちゃんの手を握ってるの」
「えぇ? 別にいいじゃろう。薫くんこそAのお兄ちゃんムーブかますのやめて」
「どの口が俺にそんな事言えるのかなぁ」
「…ご、ごめんなさい。今のは取り消し…さっさと準備します」
ぱっと手を離された。薫くんがAちゃんも準備しな、と言うので頷いて準備をする。
「そういえばどうして髪の色戻したの?」
「映画の役で染めなくちゃいけなくて」
「へー！何の映画?」
「えと確か」
儚い…て漢字がついた、なんだっけ。
儚い恋、じゃなくて。はかな…
「あ、『儚い恋情』だ」
「！」
「…え」
「? どうしたの」
マフラーか何かが落ちる音と薫くんの驚く声が聞こえて、Aは振り返った。
零先輩の驚く顔と目が合う。
「そ、それってさぁ…零くんがオファーもらったやつ、だよね?」
__ 「はい……結構有名な映画監督なので社長が2つ返事でOK出したら…」
「私も、声かけてもらった…って言われた」
まさか、…まさか。
零先輩と映画の共演…?
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
