【あんスタ】闇堕ちヒーローの話。【男主】 (ページ16)

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渉はこんなに面倒臭い性格だっただろうか。
きっと英智に報告するんだ。
前もその前も、わたーるに話した事全て英智が知っていた。
まるで学校の様子を親に話された気分だ。

___ そして俺はどうしてこんなに友達を疑う性格になってしまったんだろうか。

Aは無意識に、渉を疑っていると、英智に報告すると思ってしまった。薫がDDDに出ないかと誘ってきた時も、「“きっと”、零くんに俺が出るか出ないかを聞くよう頼まれたんだ」と思った。

“ きっと ”って、何だよ。

「…天使さん、」

「……ぇ、あ何だっけ。俺が悩んでた事か、それ成績だよ。出席日数足りないし勉強着いてけないからさ、どうしようって悩んでただけ。ほんとにそれだけ。わたーるに言ったら英智にも伝わるから言いたくなかったんだよ、だから隠した」

全部、本音。
饒舌で焦ってるように聞こえただろうが事実。実際焦ってもいるが。

「ね?」とAが笑うと、渉は「そうですか」と返した。それにより、会話が終わる。

気まずいと思うよりも先に部室に着いたことが何よりの救いだった。

しかし、渉はドアを開けもせずドアノブを握ったままAを見る。

「え、何…、」

「『天使さん』」

「…だから何ってば、」

「と呼んでいる理由、半分ホントで半分嘘です」

Aを数回瞬きをする。

何で今その話をするのかまったくもって分からなかったからだ。

「入学当初、私は本当に貴方に興味がありませんでした。倍率の高いこの学院に受かったのにも関わらず、暗い表情で面白味もない人でしたから。

でも興味を持ち始めたのは、貴方の綺麗な表情を見たからです。笑顔ではない、真顔とも言えないその表情に私は天使が頭に浮かんだんです」

「…」

「だから貴方のことを気に入ったし『天使さん』と呼んでいるんですよ」

渉は微笑んだ。

「…何で、いきなりそんな話…」

「天使さんが悩みに悩んで先程のことを教えてくれたので、私も本当のことを言おうと思いまして♪」

それはホントか嘘か。
Aには分からなかった。

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