【桃】帰り道歌を歌っていたら話しかけられたので今から逃げようと思う。

episode２０　食事※少し性的表現あり ページ23

仕事が終わり、家に戻る。

奇麗な服着てきてね、という念押しで今まで2回しか着たことのない服を選んだ。

『絶対似合ってないじゃんこんなの…』
薄ピンクのオフショルワンピにヒールを履いたけど恥ずかしくて死ぬかと思った。

玄関で待っているとチャイムが鳴った。

ガチャっとドアを開けるとさとみさんもオシャレな格好をしていた。
いつもは前髪をおろしてるけど今日はセンター分け。

『これ、どうですか？』
「天才的だわ、超かわいい。」

顔を少しだけ赤くして微笑むさとみさんが可愛かった。

「よし、じゃあ行こっか。」
『,,,うん。』
「ちゃんとタメ使えるじゃん。」


車に揺られて４０分。着いたのはなんとも高そうなレストランだった。

『いや…っいくら高層マンションに住んでるからってここは！』
「まぁまぁｗはい行くよ。」

スタッフさんに案内されて席に着くと美味しそうだけど高いものばかりだった。

頼み終わるとさとみさんは言った。
「俺Aが聴いてくれた恋をはじめようのさとみだからお金は心配しないで。」
『ん？』
「ん？」
『あぁ、そうなんですね。だから声がいいんだ。』

びっくりしたけど大体分かってた。

私たちはステーキを頼んだ。
いただきます、と言って肉を口に運び入れる。

『「…うっまぁ…。」』
美味しい。流石高級料理店。

「あぁ…うまかったぁ。」
『ご馳走様でした。』

車に乗り込むとさとみさんが言った。
「俺ん家来れる？」
『いいですよ？』

さとみさんのリビングとかまで入ったのは初めてだった。

少し緊張しているとさとみさんもソファに座ってきた。
「キスしていい？」
『ダメとは言ってないですけどいいとも言ってないです！』
「ははｗなにそれｗ」

私の頬に手を添えてキスをするさとみさんを抱きしめるとさとみさんは私の首の後ろに手を回してしたことのないキスをしてきた。

『…？！ん...んぅ、はっ、はぁ…はぁ…な、なに今の…！』
「,,,ん、知らない？深いキスだよ、ディープキス。」

知ってる。名前は知ってる。けど本当にしたことは無い。

「まぁ今日はこの辺にしとくか。歯磨きとかしてきな？一緒に寝よ。」
そんな言葉に促されて着替えと歯磨きとお風呂を済ましてもう一度さとみさんの家にいった。

ベットはふかふかですぐ眠くなってしまった。
「おやすみA。」『おやすみ、さとみくん。』

勢いでさとみくんと言ってしまったけどもうどうでも良かった。
「好き」『うん』

彼に包み込まれた。

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