【桃】帰り道歌を歌っていたら話しかけられたので今から逃げようと思う。

episode１７　移動 ページ20

Aside

昨日、さとみさんに告白された。

今日さとみさんと一緒に会社に行くのが恥ずかしくて一人で早めに家を出た。

『はぁ…顔合わせられない。』

だってあんなにカッコイイ顔が私の顔面に触れたんだよ。

恥ずかしいったらありゃしない。

いやほんと恥ずかしいわ。

職場に着くと、上司が私を呼び出した。

『なんでしょうか？』
「今日からこの下の階の販売課に移動してもらうことになった。急で申し訳ないが今から移動してもらっていいか？」
『わ、分かりました。』

後輩君たちを呼び出して4階まで荷物を運んでもらった。

「先輩、良かったですね。」
とるぅとくんが言った。珍しくころんくんは何も言わなかったけど。

『何が？』
「だってさとみくんと一緒じゃないですか。」

るぅとくんに言われるまで気付かなかった。

『あっ。そうだった…っ！ん？何で知ってるの？！』
「昨日さとみくんからラインｇ「るぅとくんもう黙った方がいいと思う。」

別に移動したことにショックは感じてない。

只他の人に知られていることの方が恥ずかしかった。

恋愛ってこんなに恥ずかしい物なのかな。

『会いませんように…』
「まぁ頑張って下さい、先輩。」
と最後にころんが付け加えて言ったけどそんなの私の耳にはもう入ってすらいなかった。

そこの上司はまだ来ていないようだった。

空いているデスクに荷物を置いて販売課の配属手続きを進めていると、このフロアのドアが開いた。
「おはようございまーす、えっ？！なんでAが？！」

来たのは、今私が会いたくなかった人物。

さとみさんだった。

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