【桃】帰り道歌を歌っていたら話しかけられたので今から逃げようと思う。

episode１４　ケーキも、タメ口も。 ページ17

さとみside

スーパーに今日の晩御飯を買いに行くとAさんが歩いていた。

すっごい部屋着だったから恥ずかしくて気付いてないふりをしようとしたけど無理だった。

『ぅわぁあっ！？』
思わず笑ってしまった。だってびっくりしたの俺だし。

ここに居るなんて思ってなかったから。

ラインでは結構話してる方だからタメ口で話したけどぎこちなくタメを使うAさんが愛おしく思えて仕方なかった。

2人でレジに並んでAさんが何を買ったのか見たくてかごを覗くと買わなくていいから。と俺が却下したゼリーが入っていた。

言ったらふてくされるだろうなぁ、と思って気付いてないふりをした。

でもバレたかもしれない。

バレたとしても思考回路が似てるから言わないだろうなお互い。

マンションに着くとAさんはケーキの箱を渡してきた。

「えっ、一個でいいけど…」
『いいんです、食べて下さい。さとみさん細すぎるので。』

ありきたりな言い訳だったけど俺は気持ちを切り替えて心の底から微笑んだ。
「,,,ありがとう。」

Aさんは少し躊躇ってから言った。

『Aさん、っていうのやめませんか？私の方が年下なので呼び捨てで構いませんよ？』
「ん、いいけどまた敬語になってるよｗ俺の前だけでタメ使えよA。」

『…？！///』
ボッとAさ…じゃない、Aの頬が紅く綻んだ。

それが俺は凄く可愛くて抱きしめそうになった。

『じゃあ失礼します…っ///』
耳まで赤くして俺の部屋を出てAさnAは自分の所に帰ってしまった。

俺も部屋に入って一言呟いた。

「はぁ…あんな顔されたら、もっと好きになるわマジで///」


足元に居る猫ちゃんとわんちゃんが俺を心配そうに見つめていた。

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