だから褒められるの勘弁願いたいって言っただろ ページ12
「はひ?もしかして、朝のキュートな女の子ですか?!」
プリントを机に置いて寄ってくる女の子。
ちくしょう今の一瞬で見やがったな。
「近い」
「あ、すみません!」
近い女の子の額をつつき、顔を背ける初音と、それを聴いて離れる女の子。
「あと・・・言うほど可愛くはない。そこ、中身見てから判断しろよ。で、名前は?」
口調こそ見事な迄に冷静を装ったものの、照れてフードを強く握って被っている。
白い肌に赤が目立ち、目を瞑って悟られない程度に顔を振る。
こいつ褒めるの得意かよ。
「ハルは三浦ハルです!貴女は何と言うんですか?!」
元気よく自己紹介してくるハル。
漸く顔の熱が冷めて行き、顔を上げて若干上目で呟く。
「俺は氷上初音。フランス人形イズノット」
素っ気なく、愛想なく、安定の冷たさを保つ。
ただ前回よりは声色が優しくなっているのは認める。
「…って言うか、氷上さんは関係ないだろ!?いくら落第掛かっているとは言え…」
意識が遠くへ行っていた様に呆然としていた沢田が意識を取り戻したようにツッコミを入れる。
「ん、落第か…。落第!?うっそ中学でそんな制度あんのかよ義務教育だぞ義務教育」
繰り返してから文を噛みしめ、そして驚いて聞き返した。
それは流石に委員長が黙らないはず。
「まぁ、とりあえずは解いてみろ」
渡された紙は、簡単な問題だらけだった。
ただ引っ掛かる問題がひとつあるくらい。
「どれなの?」
紙を渡して質問する初音。
机を借りてその机に突っ伏している。
「問七ってとこだぞ」
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作者名:菫青 | 作成日時:2019年9月18日 19時