シャルマン (ページ10)

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第六章話し合いページ10

断り続けている時に告白してくれたのが廉だった。

それまでは告白されて「どうせ外見でしょ？」と聞くと口ごもったり黙ったりして、それがさらにイライラを募らせた。

廉が私に告白して、同じように「どうせ、外見でしょ？」と言うと廉は、「そうです!!!」と、鼓膜が破れそうなくらい大きな声で叫んだ。

そんな素直な廉が好きだった、好きだった。

五六時間目をこなして、【シャルマン】へと足を運ぶ。

いつもの古めかしい【シャルマン】の看板を確認して中に入る。

靴を早めに脱ぎ、１階の子供たちのフロアにいくと、要さんに中２くらいの女の子が相談していた。

何を話しているのか無性に気になり聞き耳を立てる。

「あの……。私……魅力がないって、親に言われて……。ほんとに悲しかったんです……！」

彼女は頬に涙を垂らす。

彼女なりに思いつめていたのだろう。

親……か。私の両親は亡くなっている。

だから、彼女みたいに自分を産んでくれた人に「魅力がない」って非情な言葉すらかけてもらえない。

「あのね、例えね今誰かに魅力がないって言われたとしてもね。少し見方を変えるとこうやって私のところに相談しに来れて、素直に気持ちを打ち明けることも十分過ぎる魅力なんだよ。いつかはあなたの魅力に気づいてくれる人がいるはずだから。」

「はぃ……。」

彼女の涙はエスカレートしていく。

でも、多分ここで１番泣きたいのは私だよと心の隅で思った。

なんで私の両親はいないのだろう。

要さんが私がいることに気づいた。

要さんは鋭いから分かるのかな。

私が泣きそうだって。

「あ、おかえりなさい。凛さん。この子凛さんの部屋に連れて行ってくれる？」

なんだ。そんなことじゃんか。何を期待してんだよ。バカ。

クスッと作り笑いで欺く。

「分かった。じゃ、行こっか。」

彼女の細い手首を掴んで、涙をこらえて、こらえて。

二階へと上り私の部屋に入れる。