シャルマン (ページ8)

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第四章仲間ページ8

｢行ってきます｣

｢いってらっしゃい｣

朝食を作る要さんのエプロン姿はいつもより暖かく見えた。

高校は4人そろって合格したのでみんな同じ学校。

部活は私がバレー部で、奏は入ってなくて、廉がバスケ部、そして仁は弓道部だ。

たまに時間が空くと、廉や仁の練習を見に行くけどもう黄色い歓声がすごい。

廉がシュート入れればキャー！ってなるし。

仁が命中させると、歓声よりか悲鳴に近い感じでさけぶし。

それでもわたしを見つけると微笑んだりしてくれるのが何気なくうれしい。

2人とも普段はクールだから。

駅に着いて私の髪を靡かせた電車に乗り揺られながら進む。

ホントのことを言うと、私は小六の頃くらいから廉と付き合っていた。

もう別れちゃったけど。

私も廉の事がダイスキだったし、何より廉といる時間がキラキラしていた。

なんで廉が【シャルマン】にいるのかというと、簡単に言えば家出だ。

確か中学のはじめの頃だった気がする。

廉とはまだ付き合ってた頃だ。

家出してさまよってたどり着いたのがここだったから住み着いたって感じ。

家出した理由は色々あったみたいだけど詳しくは知らない。

仁は、元々母子家庭で仁が小四の時の母親が、乳がんということが発覚してしまった。

発覚した当時もうステージ4で手遅れであった。

母親が亡くなって身寄りを失くすからと言って仁の母親は要さんと話をしていたらしく遺言に【シャルマン】に渡してほしいと書かれていたそうだ。

長い道のりを歩くと、いかにも進学校といった校舎が小さく見えた。