私148 ページ15
依然として変わることのない冷たい瞳を受けて、多少の恐怖を感じるものの。
それでも私は、努めて落ち着くようにしながら言った。
「…好きって言ったって、憧れてるって意味だよ」
続けて、「皆を置いていくことになるような意味は含まれてないよ」と付け足した。
「えっ」
次の瞬間、彼の纏っていた怖い雰囲気が消える。
今言った言葉が理解できないのか、少しだけ間を置いてから、SARUはその場に座りこんだ。
私は慌てて近付く。
「ちょっ、大丈夫!?」
そう言って少し肩を掴んで揺らした所で、
そのまま右肩辺りに頭を乗せる感じで倒れかかってきた。
「うにょぁっ!?」
驚いて謎過ぎる奇声を上げる。
あれ?こいつこんなキャラだったっけ?
と、よく見たらほんの少し肩が震えているのが分かった。
そっと頭を撫でると、服を握られたのが分かった。
なんだかんだ言ったってまだ子供だし、色々重なって辛かったんだろうな。
そう思うとなんだか悲しくて、今は私が、彼にも与えられる筈だった母親の代わりになる事にした。
そうは言っても、ただ何も言わずに撫でる事しかできないけれど。
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ちょこ(プロフ) - あんずさん» うわああああ見られてたああああああ!!! …ありがとう (2015年1月2日 22時) (レス) id: c846c5f724 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ちょこらしくて面白い! (2015年1月2日 22時) (レス) id: 8a9cfbb107 (このIDを非表示/違反報告)
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