[黄名子ちゃん]菜花黄名子なんて、大嫌いだ。[嫌いな人へ]～Ω3兄弟の逆襲(嘘)～!4! (ページ14)

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私147 ページ14

この後雷門に倒されるっていうシナリオなのに。
ただでさえ破壊活動を行ってきて、どんな罪をかせられるか分からない彼に。
これ以上罪を増やす訳にはいかない。

でも、そんな思いも今の彼の前では邪魔以外の何物でもなかったようだ。

「拒否権があるとでも思ってるの?」

冷たい視線とその声が降ってくる。同じくして、彼の手は不思議な光を発し始めた。
その手が私にかざされた瞬間、頭に鋭い痛みを感じた。

「いっ……!!」

頭を押さえるが、それでも痛みはとまらない。
それどころか、増しているようにすら感じる。

「…このままさぁ、僕達以外の記憶ぜーんぶ消しちゃおうか?
そうすれば、僕が雷門まで出向く必要は無いし。」

「っ…!!」

黄名子との記憶だけは、消したくない…
でも、記憶を消せば、少なくとも剣城は守られるし…

ん?あれ?そう言えば、好き、って。
次の瞬間思い浮かんだのは、絶対に抱いてはならない筈の感情を抱えて穏やかに微笑む「前回の」SARUの姿。
そして次に、置いていかれるのが嫌いだったのだと気づいた時の、ほんの少し幼く見えた「今回の」SARUの姿だった。
今回と前回が違うのなんて100も承知だ。
２人を重ねて見るだなんて、そんなの、彼自身への冒涜であるなど12分に理解している。
けれど、もしも。もしもそこに、解決の糸口を見いだせるのであれば＿＿＿＿＿

「ね、ねぇ、ちょっと待って!」

私が焦って言うと、頭の痛みは消えた。
不思議な光も消える。

「話す気になった?」