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あとから見返してちょっと読みにくかったので、描き方を変更します。





*



それどころじゃなかった。
彩は身を翻し、街の隅に立って自信作を売り始めた。



「赤い実のパイどうですか。」



なるべく声色を明るくして、そう言った。
くらい声だと、余計にこちらを見てくれないから。
少しでも、可能性があるのなら。
私は、信じたかった。
それでも街の人たちはこちらを見向きもしない。



「自信作なんです。」



彩は諦めない。しかし、売り始めたばかりとはいえ見向きさえされないのも結構きつい。





時間が経ち、時計塔がなった。どうやら昼を知らせに来たようだ。



「全然、売れないな。」



そう、小さな声でポツリと零した。
さっきからずっと呼びかけているのに、誰1人興味を持たない。



やっぱり、今日もダメかな。
…分かっていた。それでも希望が捨て切れない。
あの日、唯一こちらを、私を見てくれた人がいるから。



せめて、せめてもう少し頑張ろう。
私はもう少し続けることにした。





*




生まれてきた時からそうだった。
周りのみんなは生きる意味を失っているように目が虚ろで、何にも興味を示さなかった。



それでも、俺は知りたかった。
俺達は何者なのか。そして、”生きる”ということの意味を。



幸い俺には、俺と同じ考えを持った友人がいた。いつか、俺達みんなで世界中を旅して存在意義を探しに行く。なんて、ガキの頃はよく話していた。



そんな事を考えているとき、俺達はあいつに出会った。いや、出会ったと言うよりも俺達が見つけたという方が正しいか。



名前も知らない女の子。
でも、あの子の目は周りのヤツらと違って、何かを写す目は輝いていた。



何故だろう。あの子が、俺達が探し求めていた答えを知っているような気がした。
それはこいつらも同じようで。



「...なんかあそこにいるヤツ。」


「ん。何か周りと違うよな。」


「”生きてる”みたいな?」


「ナナキ。俺らも一応生きてるだろ。...でも、言いたいことはわかる気がする。」



生きるとは何か。俺達に終わりがあるのか。そんなことを、あの少女は全てを知っているように見えた。



...俺達は、周りから見ればまだまだ少年といったところだが、これでも生きている時間は長い。



今日、初めて見掛けたと言うことは、もう会えないかも知れない。



探せばすむはずだが、何処からか来た焦りが、俺達の背中を押した。

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作者名:パンプキン | 作成日時:2018年3月27日 0時

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