林檎売りの泡沫少女 ページ2
「ねえねえ、マリア様!」
「また”泡沫少女”のお話をして?」
ここは、とても暖かくて、神聖な場所。
「はいはい、分かりました。では、今日のお話はそれにしましょう。」
とても美しい女性は、母親のような微笑みを浮かべながら子供たちを宥める。
「早く!早く!」
その横には天使の子たちが今か今かと話の続きを待っている。天使の子達は、このお話がお気に入りのようだ。
「_これは、遠い遠い時の果て。そこに住まうものは皆永遠の命を持っていたのです。」
とても美しい女性が話を始めた
「その世界のどこかには、一つだけ赤い実がなっている木がありました。」
とても懐かしいオルゴールの音色が聞こえるような...そんな優しい声で。
「その木の下に、ある少女が産み落とされました。
___その少女には、産まれながらにして死の呪いがかけられていたのです。」
「そしてこのお話は、そんな少女のお話です。____
とても懐かしく、愛おしい人を見るような優しい目をしながら、そう言った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
誰の目にもつかないような森の奥。そこには赤い実のお菓子屋がありました。
ちょっと寒くなってきた、秋の日。
「っ_出来たぁ!」
そこには一人の少女が大変幸せそうな顔で、出来上がったお菓子をオーブンから取り出し、包装用紙に包んでいました。
「今度こそ、美味しいんだから!」
少女は、自信作とちょっぴりの期待をバスケットにたっぷり詰め込んで、街に売りに行くそうです。
少女の胸にはロケットペンダントと
自信作の入ったバスケットを持って家を出た。
___今日はなんだかいつもよりも賑やかだな。
街に着いて、最初に思ったことだ。
なにかお祭りでも、あるのかな。
「何はともあれ...」
人がこんなにも居るなんて。ラッキー!!
心の中で、静かに、そしてとても大きな声で叫んだ。
でも、何でこんなにも賑やかなんだろう。
出店が見えるけど、お祭り...では無さそうだ。
「...なんだろう、あれ。」
小さく人の波をかわしながら前に進むと、
今日はどうやら市をやっているようだった。
__だからこんなにも人がいるのか。
少女__彩は納得したようだったが、その目が出店の商品から離れない。
心做しかその目がキラキラとしている。
この出店では、アクセサリーなどが売られているようだ。
「...っいけない行けない。」
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作者名:パンプキン | 作成日時:2018年3月27日 0時