キミとのキセキ (ページ17)

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前のクラスは入場をしていて、私たちももうすぐ体育館の中に入る前くらいに、沢山の大きな拍手が聞こえてきた。

なんか、少しドキドキするなぁ、って思う。

それから、いつぶりだろうか。

…多分中学生？ぶりに、たくさんの人から拍手をもらって、花を沢山くっつけた輪っかをくぐった気がする。

さっき担任の先生に、花輪をくぐるときはまっすぐ前を見て歩け、って言われたんだけど、私は少しキョロキョロと、親や先輩が座っている方を見てしまって。

そこに、たまたまなのだろうか、自分の親と裕太君の親が仲良さそうに座っている姿が視界に入ってきたんだよね。

まぁ、仲良しなのは当たり前。

私たち家族は玉森家と、お母さん達の代から幼馴染なんだもの。

お母さんとお父さん、そして裕太君のお母さんとお父さんのこの4人は幼稚園の頃からの幼なじみ。

お互いが、お互いの恋を応援しあったりしていたらしい。

で、大人になってからは、頻繁に連絡することもあまりなくなってたらしいんだけど、なんかたまたまお互いに隣の家を買って、私たちも幼馴染なっちゃいました、みたいな感じなんです。

で、その4人はまぁ私も裕太君も同じクラスの同じ出席番号、ってことで2人並んでいたのを見ていたのか、私がこっちを見ていたのに気づいたのか、ちいさく手を振ってきた。

まぁ、でもさすがに振り返すことはできなくて、ニコッ、て笑って視線を真っ直ぐに戻す。

それから、自分のクラスのパイプ椅子のところに行って、自分の定位置に座った。

それから、全クラスが入場を終え、校長先生や生徒会長、私たちの学年の代表の人たちが話してくれているのを聞く。

正直暇だなぁ、とは思うけど話聞くだけだからね。

それから、一通り終わった後、司会の人に新入生の名前呼びます、みたいなこと言われて。

担任の先生が自分のクラスの生徒の名前を司会進行していた人達のところに行って、呼んでいる。

みんな、はいっ！って返事していて、次はD組の番。

担任の上岡先生がマイクのところまで行き、D組起立！って言い私たちは椅子から腰をあげる。

それから、最初に男子の名前を呼んでいって、宏光や裕太君、高嗣君なんかも返事していた。

で、男子が一通り終わり、次は女子の番。

1番前の子が呼ばれ、私ももうそろそろ。

「花瀬A。」

そう呼ばれて

「はいっ！」

って返事をする。

それから、次のクラスの人たちが名前を呼ばれ始めた。