9.残念ガールと残念ボーイの冗談 ページ11
ふわぁと大きく欠伸をしながら朝食のいい匂いがするリビングに向かう。
昨日はお父さんと久しぶりに会話したなぁなんてしみじみと思いながら既に仕事の疲れで熟睡中であろうお父さんの部屋をちらりと見て笑う。
翔も、お父さんと話をしたみたいだし相当機嫌が良いと思う。
今日の朝食は豪華だろうなぁ。
そうしてキッチンの前に男ながらに何故か似合うエプロンを付けて立っている翔におはよーと我ながら気が抜けた挨拶をする。
「おっ、姉ちゃん。よく眠れたか?」
なんて言う翔の顔は笑顔が隠しきれてない。
余程昨日のことが嬉しかったのだろう。
なんだか晴れ晴れとした顔をしている翔を見て、こっちまで笑顔になる。
「まだ何か作ってんの?」
もう既にテーブルには焼き魚と味噌汁と納豆など朝食定番メニューが揃っているというのにまだキッチンに立っている翔にそう問いかける。
すると翔はえー?なんて笑いながらこう返した。
「デザートだよ。珍しく甘いもんでも食いてーなーって思って」
翔は口ではそう言うが、そんな訳ない。
普通にお父さんに食べてもらいたいだけでしょ。
だがそれをわざわざ言う様な真似はしない。
そんな空気読めない子じゃないし。
「ふーん、そ。私もデザート食べたい」
私の分もある?と遠回しに伝えると翔は無言で、しかしニヤつきながらすすっとデザートを
差し出した。
「ちゃーんと用意をしてありやすぜ。殿」
なんてふざけながらいうものだから、仕方無い。
乗ってやろう。
「うむ、良い働きご苦労であった。そなたには褒美としてそこの台所をくれてやろう。これからもその台所を使って世を助けるのじゃ」
かなりノリノリで返すと翔はニヤッと笑みを深めて言う。
「ははー!有り難き幸せ」
だがそのあとに翔は気付く、私がさり気なく言ったことは"これからも私のためにご飯作れよ"と言う意味だったことを………………。
朝の六時三十分。
その日その時間、
一人の少年の、
姉ちゃんんんんんんッ!!!と言う声が、
ご近所中に響き渡った。
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きゅー野郎(プロフ) - 泪×龍さん» コメント有難うございます!続編もきゅー野郎ワールド全開で頑張らせて頂きますね!続編も宜しくお願いします( ̄∇ ̄*)ゞ (2015年2月13日 18時) (レス) id: 043f89e5e4 (このIDを非表示/違反報告)
泪×龍(プロフ) - 続編頑張って下さい! (2015年2月13日 18時) (レス) id: 91c19ca637 (このIDを非表示/違反報告)
きゅー野郎(プロフ) - CubeSugarさん» コメント有難うございます!黒子君って何故か行動派なイメージがあります(笑)テスト期間と重なってて少しだけ更新出来ないかも知れませんが、頑張りますね(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年2月12日 20時) (レス) id: 043f89e5e4 (このIDを非表示/違反報告)
CubeSugar - めちゃおもろいです!意外に行動派の黒子(笑)更新、頑張ってください! (2015年2月12日 17時) (レス) id: fc1804391b (このIDを非表示/違反報告)
きゅー野郎(プロフ) - ゆな♪さん» コメント嬉しいです!赤司君ですかー。楽しみにして頂けて有難いです! (2015年2月9日 19時) (レス) id: 043f89e5e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅー野郎 | 作成日時:2015年1月3日 4時