46話【仲裁の雷】 ページ47
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「お待たせしました。私の伏兵たち、今がその時です!」
珊瑚宮が合図を出すと共に隠れていた抵抗軍の兵士が現れる。
「軍師殿は誠に我慢強いでござるな」
万葉は麗の傍から離れ一気に戦場へと走り出していく。
続けて抵抗軍ではない璃月人の女性が大太刀を振り回す。
このお蔭で抵抗軍の劣勢は免れたとホッとしていると麗の目に抵抗軍の兵士の槍が幕府軍の兵士の胸へと刺さった光景が映る。
刹那、船の方に雷が落ちた。
空がそこに顔を上げると麗がそこに佇んでいた。
空は、万葉は、娑羅はその雷を見た時瞬間的に雷電将軍の雷を思い起こす。
その光があまりにもあの紫と似ていて。
「!!」
『もう、やめて』
「麗…?」
「どうしてお前がここにいるんだ!?鳴神大社に戻っていたはずじゃ…!?」
動揺している空とパイモンの方に向かおうと麗は船から飛び降り着地する。
『避難してきたの。万葉くんにさっき止められたけどもう我慢ならない』
麗は腰に下げていた刀を抜くとおもむろに空に掲げる。
『泡沫へと帰せ』
麗がそう言うと雷が木の形へと変わり抵抗軍と幕府軍の境界線を作る。
それを見た娑羅は目を見張り麗を見る。
「麗…!お前…」
『ごめんね、娑羅ちゃん。でも本当に神の目は持ってないの』
「…麗、私と一緒に来い。将軍様はお前を五体満足で保護するおつもりだ」
娑羅の言葉に『将軍様が?』と麗は心底驚いた顔をしたが『そんなわけないよ〜』とおどける。
『それが本当だとしても私は娑羅ちゃんと一緒に行けない。
それに今の戦況を考えたら賢い娑羅ちゃんならわかるよね?無益な血は流さないことが一番いいでしょ?』
麗が優しい笑みを浮かべると娑羅は苦悶に満ちた表情をしつつ「……撤退!」と声をあげた。
娑羅の声が聞こえた途端幕府軍の兵士たちは撤退して言った。
『(………ごめんね、娑羅ちゃん)』
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます!感想書いていただいて嬉しいです!伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください! (2022年7月10日 23時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します!ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです!続編がますます楽しみになる作品ですね、、更新待ってます! (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空華 | 作成日時:2022年7月4日 22時