41話【薬】 ページ42
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麗は険しい顔で淑女を睨むが淑女は涼しい顔で「そうよ」と受け流す。
『ダメだよ！他の人を巻き込まないで！
貴方たちの目的は神の心でしょう！？邪眼を市民に配って何の利益があるって言うの！？』
麗は珍しく声を荒らげ淑女に訴える。
『それに目狩り令を発布すること自体不自然すぎる。もしかして淑女さん、何か関わってる…？』
「そうだと言ったらどうするの？」
『今ここで止める』
麗は腰に下げていた刀を塚を持ち構えを取る。
その時ファデュイの戦隊が一斉に臨戦態勢に入ろうとするが淑女がそれを制止する。
「ねぇ占者、ここはアンタが暴れ回っていい場所じゃないでしょ？
道は開けてないけど通行人が通ってもおかしくない場所……ここでアンタが元素力を使えばどうかなるか…わかるわよね？」
『っ……』
淑女の言葉に麗は苦虫を噛み潰したような顔をし塚から手を離す。
淑女は満足気な顔をすると「あぁそうだ」と麗に1枚の封筒を差し出す。
『…何、それ』
「散兵からよ。手渡した数日後に読めって言ってたわ。よかったわね、お返事が来て」
『く…散兵さん、から？』
麗は淑女から封筒を手渡されると少し嬉しげに目を輝かせ、懐にしまう。
「言うことはそれだけよ。今度もしアンタが目狩り令の抵抗に参加するならそれはファデュイへの反抗とみなすから」
『………わかった』
麗はそう呟くと足早にそこを去る。
やはりファデュイは苦手だ、どうしてこうも七国の政治に干渉するのだろう、と麗は頭を悩ます。
あぁやだやだと思いながら花見坂まで走っていくとそこに宵宮と正勝が歩いているのを見つけた。
成功したんだ！と思い麗は宵宮の方へと駆け出していく。
『宵宮ちゃん！正勝先生！』
「麗ちゃん！ここにおったんやな！」
『正勝先生は無事…じゃないね。
酷い傷……ちょっと待ってね』
麗は着物の裾から軟膏を取り出し宵宮に渡す。
『これ、傷が浅くなる薬。毎日塗っていれば治りが早くなると思う。よかったら使って』
「おおきに！うちは正勝先生を医者に見せてく。
祝いはまた今度しよや！」
正勝を背負いながら医者の方に走っていく宵宮を見送りながら麗は1人思う。
『(目狩り令を廃止したらファデュイへの反抗…か)』
それでも別にいいんだよな、と思いながら麗は鳴神大社へと戻る。
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます！感想書いていただいて嬉しいです！伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください！ (2022年7月10日 23時) (
レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します！ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです！続編がますます楽しみになる作品ですね､､更新待ってます！ (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空華 | 作成日時：2022年7月4日 22時
